Japan Far East Real Estate

Hasegawa Real Estate and Economy, Inc.

新しい時間

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私の知り合いの会社経営者、Hさんは「ランチをする店は毎日変えていて、極力二度同じ店には行かないようにしている」とおっしゃっています。

非常に真面目かつ志の高い経営者です。

何故そんなルールを自分に課すのでしょうか?

彼が特別に食通、美食家だからではありません。

 

よく年を重ねて行くと1年が早いと誰もが言います。

私も40歳を過ぎた頃から強くそう感じることが増えました。

 

その理由として世間でよく言われているのは、例えば10歳における1年間は、自分のそれまでの人生において10分の1であるが、30歳での1年間は人生の30分の1、50歳では50分の1、70歳では70分の1になり、10分の1の1年は、70分の1の1年よりそれは確実に濃いものとなり長くも感じるだろうと。

この理論?を初めて聞いた時は、ある意味その通りかもしれないと思ったものですが、どうも100%は同意できないとも感じました。

 

さて、ここからは私の仮説なのですが、年齢を重ねると例えば、少年時代、学生時代に比べ、日々新しい体験が激減している現実があるように思います。

少年時代は、見る物、体験することの多くが未知のことであり、おそらく初めて体験の連続です。

喧嘩も恋愛も交換日記もサッカーもホームランもエラーも不良にカツアゲされることさえ。

一方、年齢を重ねると、毎日同じ電車に乗り、同じ駅で降りて、同じ人にメールをして、ほぼ同じようなランチを食べて、夜は行きつけの店に行く・・・。

私自身が、結局、日々ほぼ同じルーティンの繰り返しとなっているように感じたのです。

このことが、同じ1年を(相対的に)短いと感じてしまう大きな理由なのではないかと。

 

そこで去年の後半に試してみました。

何をしたかと言いますと、これまで全くやったことがない事を三つトライしてみたのです。

一つは全くこれまでやったことがない新しい事業を始めてみました。

二つ目は、これまでとは内容が大きく異なる本を敢えて出版させて頂きました。

三つ目は、半分は「遊び」と言われてしまうかもしれませんが、(父親の遺言でもありました)全くルールすら知らなかった「囲碁」を正式に先生について習い始めました。

 

するとどうでしょう。後半の約6ヶ月が相当新鮮なものに感じました。

結果的に、去年の1年は、ここ数年よりも「長く感じた」と言ってよいと思います。

そこで。今年も全くこれまでやったことがないことを3つトライしてみたいと思います。

 

ここで最初に戻るのですが、1年は365日ですで、おそらく、この1日1日を少しでも新しい1日として過ごす為の工夫として、先のH社長が自分に課したルールが出てきたのだと思います。

 

私も実はこれに挑戦してみましたが、どうも意地汚いのか「ランチで失敗したくない」と思いが強く、日々異なる店でというのは極めて難しいのです。

 

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新刊「厳しい時代を生き抜くための逆張り的投資術」
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遂に肉体の貯金が底をついた。


ここ数年、首が痛くなったり、踵が痛くなったり、長距離運転した後に身体全体の疲労がいつ迄経っても取れないことが多くなった。
私の周りでの「腰が痛い」、「首が回らない」と言った声があちらこちら聞こえてくる。
それでだけでなく、脊椎狭窄症やヘルニア等々で手術をした方、手術をしようか迷っている方も少なくない。


私も、そろそろ小さい頃から鍛えてきた肉体の貯金が底をついたのだなと感じる。
ここ数年全くジムにも行っていないし、個人的にトレーニングもしていない。
子供の頃の様に左右のバッドの素振りもしていないし、爪先立ちで歩いてもいない、重いスチールタイヤを背負って階段の上り下りもしていない。
日課としていた入浴中の水道の蛇口を相手にしての腕相撲もしていない。
何より、体育の授業もなければ、野球部にもバレー部にも入っていない。
結局歩く以外のことを何もしていないのだ。


しかし、歳は確実に取ってきた。
体重も増えてきた。
これじゃ貯金が底をつくわけなのだ。


昨日、日経新聞で菅官房長官が朝晩100回の腹筋を自分に課していると書いてあった。流石だと思った。
100回は現役スポーツ選手でもキツイレベルだ。
椎名誠さんも毎日、腹筋と腕立てをそれぞれ100回やっていると以前雑誌か何かで読んだことがある。
故森光子さんも毎日スクワットをやっていた。
山本小鉄前田日明も猪木も毎日スクワットをやっていた。


私もやるしかない。貯金を増やすしかない。
毎日100円ずつでも貯金をするのだ。
健康と時間はお金で買えないものだし、ある意味全ての基本なのだから。



地方のビジネスホテルのマッサージのおばさんに「お客さんは、元競輪選手でしたか?」と再び言われるまで頑張ろう。



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空室対策と対女性マーケティング

近年、富士そばで女性の一人客を見かけることが多くなりました。
それも若い女性なのです。
同じく、吉野家でも同じような現象が起こっていると感じます。
これは私の世代(バブル世代)からするとやはり、若い世代の価値観が変わった、つまり時代が変わったと感じます。
かつて、富士そば吉野家もお客のほぼ100%が男性でした。
客は、サラリーマン、肉体労働者、学生が殆どだったと思います。
近年、店舗の内外装も清潔感、デザイン性共に大きく向上したと感じます。
その辺りも女性が入り易くなった原因の一つだと思われます。



しかし、事業者側は強い意志をもって、女性客を呼び込む努力を真剣にしているかは疑問です。
それは、店で流れるBGMから分かります。
富士そばでは未だに演歌だけが流れます。それも確か、社長が作詞したど演歌だったと・・・・。
やはり富士そば的には、男性客に狙いを絞った戦略なのでしょう。


それでも女性客が増えている。味とコストパーフォーマンスが良いからでしょう。
ある意味、今の時代を反映しています。


私は、毎回店に行く度に、「この店にスタバや上島珈琲のようにジャズを流したらもっと女性客が増えるのではないだろうか?」と素人ながら単純に思うのですが、それは所詮素人の浅い考えなのだと思いますが・・・・。


一方、不動産業界では、女性を重視した戦略を取ることが多いです。
そもそも、世の中には男と女しか存在せず、その割合はほぼ50対50なのですから、当たり前ではありますが。


近年、賃貸ビルや、マンションもアパートも空室が埋まらずに困っているといった相談が増えました。
現地を拝見すると、「女性対策」を全く行っていない物件がほとんどです。
つまり「女性が選ばない物件」「女性から敬遠される物件」なのです。

そう言った物件は、ビルであればトイレが未だに男女共用であったり、マンション、アパートであれば防犯対策が全く取り入れられていなかったり、何よりも女性から見て「清潔感」や「デザイン性」からも「選びたくない物件」ばかりなのです。


大家業、賃貸業をされている方の多くは高齢の「男性」が多いように感じます。
それ故か細かい女性向けの工夫や配慮のない物件を長年放置してしまうことが多いのです。


女性の支持を失うということは世の中の顧客の半分(50%)を失っていることになる。これは実に大きいのです。


更には、カップル、ファミリーの方々が不動産を選ぶ時には、男性ではなく女性の意見がほぼ重視される。失っているお客様は、実は50%ではなく、それ以上なのです。
社員の採用の事を考えても「女性が働きたくないビル」を経営者はもはや選ばないのです。それだけ採用難なのです。


富士そばは、現状でも儲かっているのでしょうから、今はこのままで良いのでしょう。


*個々のお客様資産状況、投資のお考えに合わせて今後の資産防衛・投資戦略をご一緒に立てていきます。
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長谷川不動産経済社

2019年、今年の資産防衛と投資戦略


皆様、あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願い申し上げます。


今年、不動産市況は大きな変調の時期を迎えると思われます。
その理由は、幾つかございます。


マクロ的な観点から見ますと日米共に統計上の好景気が史上最長を迎えつつあります。
これがそろそろ景気循環的に下降を迎えるだろうといった観点です。
(この兆候は至るところで見受けられます。)
日本は民主党政権崩壊後、安倍政権発足時からこれまでよく続いたと思います。
この間、いわゆるアベノミクスの波に乗って資産を増加させた方も多いと存じます。



しかし、このアベノミクス、つまり日銀による前代未聞の超金融緩和とETF買い入れによる株価買い支えが限界に来ているのも事実です。
(それを見越した外国人投資家の去年の日本株「売り」は過去最大となりました)


元々アベノミクスとは超金融緩和=前代未聞の超低金利と株価上昇から始まり、その資産効果が不動産にも伝わり都心を中心に不動産価格は急激に上昇して参りました。
これが昨年からの株価下落によって、正に「逆回転」が始まっています。


次に、中国の経済(株式、不動産)のバブル崩壊です。
「中国のバブルが崩壊する」と言われてから既に約10年経ったように思います。(私も毎年危惧していました・・)
逆に言えば、ここまでよくコントロールし、持ち堪えました。
流石中国共産党です。(日本のバブル崩壊後に視察団が何度も来日してました。)
しかし、ここで思ってもみなかった「不確実性の権化」が現れました。
トランプ大統領です。
トランプ大統領が今、貿易戦争により、中国共産党による綱渡り的(いや先延ばし的)超ソフトランディング策を揺さぶっています。


中国にとってだけではなく、世界中の国々や投資家にとって、トランプ大統領こそが昨年も、そして今年も一番の「リスク」であり「不確実性の権化」だと言えます。
トランプ大統領の行動や発言は、世界中の著名な経済学者や投資家の誰もが全く予想できないのです。


そう言った環境下でも、いや環境下だからこそ、大きなチャンスがやって来る可能性が高いのです。
守備を固めるのは当たり前ですが、大きな激震、大調整が到来した時こそが攻撃のチャンスでもあるのです。
あの世界金融危機と言われた2008年が正にそういった年だったわけです。



我々は、まずは、これまでの自分の資産をよくよく見直し、(サンクコストをしっかり意識し)切るものは早めに切る。
残酷なことですが、これは資産だけでなく「業」も「人」も同じです。
そして、まずは自らの守りを固め生き残ることです。


野球で言えばかつての広岡監督時代に西武野球です。広島商業の野球です。
送りバントスクイズ・盗塁を多用し、固い守備で、守り勝つ野球です)
見ていて全く面白くない野球ですが、負けない野球です。
サッカーで言えば、カテナチオ(かんぬき)と呼ばれたイタリアの守備的戦術です。
守って守って勝つのです。


そして、その混迷と混乱と悲嘆の中で大きなチャンスが訪れると思います。
その時、正にその時が勝負です。
私もその時は大きくいきます。


兎に角、ご一緒に生き残りましょう。


私には、生き残り戦略として「ウルトラC」はありませんが、「A」や「B」はご提案できると思います。
また同時に、逆張り的に言えばこの大きなチャンスをどう活かすか?ここが次の飛躍の要諦です。


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新刊「厳しい時代を生き抜くための逆張り的投資術」
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長谷川不動産経済社

新刊「厳しい時代を生き抜くための逆張り的投資術」発売されました。

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が発売されました。本日から書店に並ぶと思います。
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以下が目次です。
コラムだけでも立ち読みして頂ければ幸いです!
*題には「投資術」とありますが、「投資」に関する内容は2割程、「不動産」に関する内容は1割程度です。



〜目次〜


・はじめに


第1章 残念ながら非常に厳しい時代がやってくる
・広島を訪れて驚愕したこと
・皆と同じことをして成長した時代から、逆張りの時代へ


第2章 投資も逆張り的発想でうまくいく─投資実践編─
買ってはいけない投資商品が存在する
・何が起こるかわからない時代は貯金が命綱
・私の逆張り的投資戦略
・「表面的情報」で投資すると失敗する
・ほんとうに信頼できる「本質的情報」を得るコツ
・「本質的情報」を利用した投資成功例
・「絶好調」の「絶」で売る
・投資の教訓として覚えてほしい二つのこと


〈コラム1〉江戸時代から続く資産家の驚くべき家訓


第3章 経済における逆張り的思考
・こんな時代はむしろ、地方経済が参考になる
格差社会と皆がいう今こそ、逆にチャンスがある
逆張りにおける質屋とカジノ
・衰退産業こそ成長産業


〈コラム2〉アップサイド無限大の投資


第4章 ビジネスも逆張りで生き残る
・皆がネットなら、リアルに会いに行く
・真夏にネクタイをする
・接待が廃れていく時代ならではの接待とは?
・うまくいかないときの乗り越え方
・タクシー運転手に聞いた成績トップの秘訣
・厳しい時代を生き延びるためにこそ、濃密な人間関係が必要


第5章 生き残るために直感を磨く
・投資にもビジネスにも人生にも生かせる「直感」
・「捨て目を利かす」で少ないチャンスをものにする
・直感の磨き方


〈コラム3〉内田裕也氏はエンジェル投資家である!


第6章 運と縁をビジネスに生かす
・運と出会いは表裏一体
・私の運の制御法
・ピンチのときは、意外な方向から手が差し伸べられる


第7章 少しやっかいなお金の話
・「地獄の沙汰も金次第」はほんとうなのか
・成功ともうけは他人に語ってもらう
・お金の使い方に品格が出る
・不動産もお金も、棺桶には入れられない


第8章 長い旅~人生の波を越えていくために
・勝つためには「見」をすべし
・倒れてしまっても小型拳銃を撃ち続ける
・住む場所を変えると、チャンスが訪れる
・撤退することは賢い戦略の一つ
・資産なくとも「知恵」があればいい


〈コラム4〉幸福と不動産の関係


・おわりに



ありがとうございました。
長谷川 高

新刊「厳しい時代を生き抜くための逆張り的投資術」
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***


不動産全般(売却、購入、トラブル解決、相続、建て替え、活用等)のご相談は下記へ↓
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新刊「厳しい時代を生き抜くための逆張り的投資術」予約販売受付中

新刊「厳しい時代を生き抜くための逆張り的投資術」
がアマゾンで予約販売を開始致しました。
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どうぞ、よろしくお願い申し上げます。
*書店の店頭に並ぶのは9月末から10月上旬になると思われます。



今回、この本の内容は不動産1割、投資3割、ビジネス4割、人生全般2割となっています。


書籍の題には「投資術」とあり、
その他「投資とビジネス」との記載がありますが、
実際には、
「これからの厳しい時代をどうやって凌いでいくか?」
つまり
簡潔に表現させて頂けば(言葉はあまりよくないですが)
私なりの
「凌ぎの書」
でございます。


これからの厳しい時代を迎えるにあたって、
「今後、どうやって生き延びるか?」
「どのようにして投資行為を役立て生き延びるのか?」
「ビジネスをどうやって継続させるのか?」
「会社の中でどうやって生き延びるのか?」
といった内容がメインとなります。


そして、その私にとっての方法論が
今回のテーマであります
逆張り的行為」
でした。


正直、若い世代の方にはピンとこない箇所もあるかと存じます。
しかし、私なりに全て、実際に経験したことを書かさせて頂きました。


ご一読されて、できれば、数カ所でも皆さまの人生やビジネス、投資に置いて
役立つことがあれば誠に幸いです。


どうぞよろしくお願い申し上げます、そして、毎度更新頻度の極めて悪いこのブログを読んで頂きありがとうございます。
長谷川 高


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区分所有ビル(事務所)についての考察


先日、弊社の顧問先から区分所有ビル(事務所)への投資についてどう思うか?と質問されました。


「私ならよっぽどの理由がない限り投資しません」とお答えしました。


その理由は

  • 充分なマーケットが存在しない問題(換金性が低い問題)

区部所有のビル(事務所)においては、充分なマーケット(売買の市場)が存在しない。つまり換金性が低いのです。何らかの事情で、売りたい時にすぐに売れるのかと言えば、非常に難しいだろうということです。これが、売り手と買い手が充分に存在する区分所有のマンション(所謂中古マンション市場)とは大きく異なる点です。

  • 担保価値の問題

上記1)の通り、換金性が低い不動産故に金融機関からみても、常識的には担保価値が低いのではないかと思います。現在区分所有ビル(事務所)を購入する場合、融資する金融機関が存在するかもしれませんが、それはその不動産の担保価値を充分に認めてではなく、購入者である企業の「信用」を担保として貸しているのではないかと思われます。
仮に私が金融機関の担当者なら、不動産単体の担保価値でのみで融資するのは非常に怖いと感じます。当然ながら何か他の担保物件を同時に求めると思います。

  • 大規模修繕や建て替えの問題

上記1)の流動生が低い問題がどこから来るのかと言えば、それは、空調の故障、交換や外壁の修繕、屋上防水工事等々の大規模修繕工事の必要が迫られた場合、実際にこれをスムーズに実行できるのかといった危惧があります。

仮に10階建のビルとして、1フロアーに1所有者、合計10件の所有者(企業)の意見が合わない場合どうなるのでしょうか?
大規模修繕には4分の3の議決が必要ですが、3フロアーの所有者が反対した場合、大規模修繕は実施不可となります。
(こういった場合、反対者の反対理由は、「やる意義は認めるがお金がない」といったケースが殆どです。)
将来の建て替えも9フロアー以上の賛成が必要となります。
単独でのビル所有ならば、独断でできることがいちいち何でも皆さんと相談しつつ、議決をとらないとできない訳です。

総戸数、100戸、200戸の区分所有マンションとの違いはビルの場合、分母(戸数)が絶対的に少ない故に、1戸(1フロアー)の「反対票」が非常に大きい影響を及ぼすことになります。

  • 管理費滞納の問題

マンションでもよく、管理費の滞納が問題となりますが、10フロアーで仮に1フロアーの所有企業が破綻もしくは何らかの台所事情で、管理費が滞納された場合、どうなるのでしょうか?
1フロアーだけで、毎月必要な管理費の10分の1が未収となります。
おそらく、当分の間、残りの9法人でこの未収分を負担するしか方策はないと思われます。
この場合の最終的な解決は区分所有マンションの場合と同様に容易ではないはずです。

ここでも、総戸数の多い区分所有マンションと異なり、ビルの場合、分母(戸数)が絶対的に少ない故に、1戸(1フロアー)の滞納の影響が非常に大きく(10分の1フロアー滞納で総戸数200戸なら20戸分)、他の所有者に多大な負担を掛けることになってしまいます。


さて、上記の「よっぽどの理由」というのは、何かと言えば、
例えば、銀座の中央通り沿いの一等地に何が何でも(一部でも)所有権でビル(実際は「床」)をもちたいとか(つまり経済合理性よりも感情の部分が大きい)、将来の建て替えに絡んでいきたいといった、デベロッパー的と言いますか、ゼネコンの再開発部署の発想での投資でしょうか。



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