新東京邂逅記 by 長谷川高

厳しい時代を生き抜く為の資産防衛と不動産戦略

不動産取引の成否は登場人物で決まる。

不動産取引は、ある種独特なものがあります。

売主がいて買主がいて、金額も合意しているはずなのに、

買おうと思ってもなかなか買えない

売ろうと思ってもなかなか売れない

などということが時に起こります。

 

これは物件自体に問題や瑕疵がある場合もありますが、多くの場合はその取引に関わる当事者に問題がある場合が多いのです。

 

仮に、若干問題のあるものの魅力的な物件を買おうとした場合、その取引の成否はほとんどその登場人物で決まると言ってよいと思います。

 

近年、地面師なる輩がマスコミを賑わせていますが、あれなど、出てくる登場人物の皆が皆悪いわけです。

 

あそこまで酷いケースはなかなかお目にかかれませんが、

例えば、複雑な案件で「買主と会いたい」と仲介業者さんに面談をセティングしてもらった時に、売主ではない人間が平気な顔をして現れるなどと言うことが数年に一回は起こります。

 

「私は、売主さんと会えるというので今日参ったのですが、売主さんはどうしたのですか?貴方は、売主とはどういった関係ですか?」

と聞くと

「●●さんは今日体調が悪いので欠席です。私は●●から依頼を受けて本日参りました」

「売却に関する委任状はお持ちですか?」

「いや、そんなものはありません。私達は信頼関係で成り立っていますから」

と。

そして次に出てくる言葉は何時も同じでして

「私が任されているから大丈夫です!」と。

まあ、ここで「もうこの売買からは手を引こう」となるのですが。

 

実は、こういった結果になることは、予想できたかといえば事前にできていたのです。

つまり、間に入っている仲介業者さんにお会いした時にどうもこの取引はうまくいかないだろうなと。

 

つまり、最初から登場人物が思わしくない状況である場合が殆どなのです。

 

不動産の世界で、取引をスムーズに(と言ってもなかなか終始スムーズにいくケースはほとんどないのですが)行うには、自分の周りだけでも、その取引先、つまり登場人物をよくしておく必要があります。

プロとしての能力が高いというだけではなく、一言で言えば「気のよい」人達で固めるのです。

この「気のよい」とはどう意味かと言えば、皆さんがよく使っている「気のよい、気の悪い」という言葉と同じです。

 

もう一つの秘訣は、シンプルな形で取引できるかです。

 

私も既にデベロッパーの仕入れ担当者ではありませんので、魅力的な物件であれば、どんなに登場人物が悪くとも、ノルマ達成に為に兎に角突っ込んでいくといった必要もありません。

 

よって、当たり前ですが、現在では

「君子危うきに近寄らず」

の体制ですが、それでも数年に何回かは、コントのような場面に出くわします。

 

自分自身が、自分の回りの仲介業者さん、管理会社さん、開発屋さん、測量士、近隣業者、弁護士、税理士、司法書士等々、どんな人々とお付き合いするかで、殆どの不動産取引におけるリスクを排除できるものです。

 

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結果的には、その選択が自分と関わって頂いているお客様を守ることにも繋がるわけです。

 

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20代の貴方と貴女へお伝えしたい家とお金と投資のこと

今回は現在20代の貴女と貴方へ家とお金と投資に関して、幾つかお伝えしたいと存じます。

 

まず、「家」ですが、20代で買う必要もないですし、その購入資金の為に貯金をする必要もないと。よってその為の勉強など20代で敢えてする必要もないと。

仮に20代で家を買って何か良いことがあるかな〜と改めて考えてみたのですが、特段無いように思います。

一点、満員電車に乗っての長い通勤時間は全くもって時間と体力の無駄だと思います。

よって、狭く古いアパートでもよいから、多少の背伸びしてでも自分の住みたい憧れの街に住むのも良い選択だと思います。

 

さて、投資はどうでしょうか?

20代の投資は、株や不動産ではなく、自分自身に向けることです。

自己投資です。

留学するもよし、英会話やフランス語を学ぶもよし、何か資格も取るのも良いと思います。

さて、自己投資といっても、個人的には「旅」をお勧めしたいと思います。

旅と言っても皆でワイワイガヤガヤ楽しく行くのではなく、ズバリ一人旅です。そしてできるならば海外へ行かれることをよりお勧めしたいと思います。

 

日本は地理的に小さな国であることを皆さんもご存知だと思いますが、今や、文化的にも経済的にも国力的もどんどん遅れを取りより小さい国になっていると感じます。

ちょうど皆さんが手にもっているスマホの画面に入る程になってしまったかもしません。

テレビやネットの話題はもっぱら、不倫だの離婚だのなんだのとどうでもよい話題ばかりです。

 

井の中の蛙、大海を知らず」

という言葉がありますが、

今の日本は、「井戸」どころか矮小な「ビーカー」の程度の大きさなってしまったかもしれません。

それ故、外国を見てくることをお勧めしたいと思います。

 

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20代の方の貯金(余剰資金)はどのぐらいでしょうか?

おそらく数十万円から一生懸命貯金してきた方でも数百万円程度だと思われます。当然のことだと思います。

 

 よって、この数十万を何倍にもしたいと思ったら、間違いなく自己投資が良いと思います。若い方の自己投資は、生涯において数十倍になってリターンが得られる可能性があります。これ本当です。

 

さて、株式等への投資行為をすべきか?という問題です。

20代の皆さんは、おそらく結局は勝てないと思います。それは、正直そうだと思います。

結局とは、一時的に勝っても長くは続かないという意味です。

 

しかし、それでもやる価値はあります。

日本では経済学部を出た人間でも財務諸表など見たことがない方が多いのです。

頭の体操の為の経済学であり実学ではないのです。

また困ったもので財務諸表など、仮に自分の所属する会社のものを見ても、面白くもなんともありません。

しかし、投資行為をすれば、自ずと何倍も真剣に見るようになるものです。そして理解しようと努めるはずです。

経済や金融を勉強するということは実社会で生活する上で重要です。

しかし、経済原論の本を何冊も読むよりも、株式投資でもして、その「儲けたいという欲」を利用して腹の底で理解できるまで勉強するのが一番身になると経験上感じます。

 

評論家になるのであれば別ですが、ほとんどの皆さんは実態経済の中で、つまり資本主義の中で生きていかなければなりません。その資本主義の現実的なルールというか、お金の流れを知る為にも良いと思います。

 

但し、まだ社会におけるアマチュアである20代の皆さんがあまりこれに熱中し、全財産を投入しますと全てを失う可能性が高いのです。

よって、投資の上限を決めるべきです。

例えば、全預金の20%までとか、毎月の給料の20%まで、そして総額でも年間50万までとしてはいかがでしょうか。

この50万円は、何か資格を各種学校で取ろうとしても40万から50万程度はかかるので、仮に全額失っても授業料だと思えばよしだと。

 

また、「信用取引」と「空売り」には手を出さないことです。歴史上、天才とか稀代の投資家と言われた方々の多くが、実はこれで最後の最後に「破綻」して終わっているのです。

 

と長々と色々書きましたが、一言で言えば、20代の頃はチマチマお金や家なんかに執着することなく、是非、精一杯ロックしてほしいと思います。

 

そして、なんだかんだと頑張ったけれど、窮してしまったら連絡下さい。これも縁だと思いますので。

 

 

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30年前購入した不動産が6分の1の価格になり、10年前に買った不動産は大幅に値上がりした単純な理由

AERAの電子版を読んでいましたら、元朝日新聞の記者、稲垣えみ子さんのコラムが目にとまりました。

 

「まもなく訪れる老後ライフ目前に家を売却したワケ」です。

https://dot.asahi.com/aera/2020112700024.html?page=1

 

同氏が30年前の買った物件を最近6分の1の価格で止むを得ず売却した話が書かれておりました。

 

老後前に不動産を売却した理由は様々ある様ですが、その点に関しては特段意見はございません。

 

一点だけ、誤解をする方も多いと思いまして、私なりに解説させて頂きたいと。

この「30年前」というのが実は曲者なのです。

 

今から30年前とは、つまり1990年から1991年、つまりバブルの絶頂も正に絶頂の頃だったのです。

 

もう一点、購入価格の6分の1でしか売れなかったと事実。それにしてもあまりにも割れ方が大きいのが気になりました。

ここからは、想像ですが、この大きな割れ方は、おそらく東京以外の地方の物件を購入されたのではないかと。

 

1990年代の初頭、サラリーマンとして会社の不良資産を処理=(損を出して)売却していた時、東京より地方の物件の方が割れる率が格段に大きかったのでした。

 

皆さんに知って頂きたいのは、不動産の価格が大きく崩れる時は、

 

1)まず地方から崩れるという事

 

2)なおかつ地方の方が崩れる「率」が大きいということです。

 

私なりに勝手ながら、この方のコラムを解説するならば、稲垣さんにはお気の毒なことですが、彼女の買った時期が不動産バブル絶頂における購入だったことに加えて、6分の1という大きな割れ方から想像しますと、当時買ったエリアも地方都市だったのではと思います。

(勝手な想像でどうもすみません)

 

 話は変わりまして、昨年12月に10年以上のお付き合いのあるお客様とお会いしました。

この方はこの約10年の間に東京都心に複数の新築マンションを購入されてきました。

 

そのラインナップを昨年拝見しましたところ、全ての物件で(現在の時価に照らし合せて)含み益が出ていました。

 今まで、「実需」と「相続対策」の両方で5〜6回購入し、その都度一緒に物件(マンション)を見に行き、結果その時々の話題の物件から選んで購入してきました。

 

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そして、その中においても(現在のところ)一番含み益が出ているマンションは、2010年前後に買った物件です。

 

つまりリーマンショク後の経済不況の中において購入したマンションが最も含み益が出ていました。

 

エリアは全く異なると思いますが、30年前に買った不動産が購入時の6分の1でしか売れない一方で、約10年前に買った不動産が大きく含み益が出ているのです。

 

もうお分かりの様に、実需で不動産を買うにしても、将来に渡って損得を気にするのであれば「どこに何を買うのか」も勿論大切なのですが、それ以上に「何時買うのか」が実に重要なのです。

 

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2021年、長かったパーティーは既に終わった

*以下、この連休に出た日刊ゲンダイに寄稿した文章の元原稿です。

 

2021年、長かったパーティーは既に終わった

 

昨年は、コロナ禍一色の年でした。飲食、観光、航空、運輸産業においては未だ甚大な被害が続いています。

しかしながら、日本、及び米国を含めた各国の株価は高値圏にあります。不動産業界においてはどんな状況でしょうか。

先日、大手賃貸仲介管理会社の東京支店長とお会いしました。その折りに出た話しとしまして、

 

1)賃貸入居希望者の質が相当下がってきた。審査に通らない人が増えてきた。

 

2)月額家賃40万円、50万円以上の高額物件の空室が目立ってきた。かつ募集しても埋まらない。外国人向けのものが多いのでインバウンド停止の影響を受けている。

 

3)逆に千葉、埼玉、神奈川の支店は前年比増収増益の支店もある。これは、50㎡、60㎡のファミリー向けの物件の動きが堅実であり、売買、賃貸含め、東京の郊外、近県への移動(引越し)がテレワーク及び在宅勤務の増加により増加傾向になった結果です。

 

4)9万円から10万円の都心のワンルームの空室から出てく方が多い。そしてやはり募集してもなかなか埋まらない。

これは、一部の業界(飲食等)にお勤めの単身者が職を失いその一定数が既に東京離れている現状があると思われます。

 

一方世界の実態経済に目を向けますと、以下三点の大きな問題は、未だ未解決です。

 

1)米国におけるテック(IT)バブルの膨張と崩壊の可能性。

 

2)世界的な投資不適格企業による債務の膨張、及び彼らが発行した社債、関連派生商品の膨張と破綻の可能性。

 

3)中国における不動産バブル崩壊の可能性です。以前より「バブルは崩壊した時に初めてバブルだと分かる」と言われてきました。

 

この三のリスクの内どれかが崩壊した場合、グローバル経済においては互いに引火し、日本を含めて世界各国の経済に多大な影響を与えます。その結果、日本の不動産市場も大きな影響を受けることになると思われます。

 

一方、銀座で高級ブランド商品を大量に買う方もいれば、京都の料理屋で高級ワインを飲んで一晩に二人で200万円を払って帰る者も未だ存在します。

このお金はどこから来るのか?

一説には、政府系金融機関や保証協会の融資の余りだとか、株の売却益を得た者が少なくない数存在するだとか、諸説ありますが、昨今の世相を、私のこれまでの経験で一度だけ見たことがあるように思います。

 

それは、1990年初頭の不動産バブル末期の状況です。当時、不動産バブルは既に行くところまで行ってしまい、身動きが取れない状態でした。

しかし、この実態が一般的には知られておらず、毎夜湾岸や六本木のお立ち台に乗って踊る女性達がテレビに映し出され饗宴は続いているかのごとく大勢が勘違いしていました。

今も同じように感じます。

 

ホテルの冷蔵庫は既に空の状態で、ビール一本残っていないのにパーティーは続き、未だに音楽も流れていないのに踊っている人々が大勢いるのです。

相模湾沖上空には爆撃機も来襲しようとしているかもしれません。

 

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しかし、殆どの人々の耳にはその爆音は届かないのです。

時代を読む能力のある者だけがそれに備え、既に次の一手を打っているのですが。

 

 

 最適な投資戦略を一緒に考えます。

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変則かつトリッキーなものに魅かれます。

少年時代、阪急ブレーブス山田久志投手のアンダースローのフォームを日本シリーズで初めて見た時は痺れました。

 

巨人から阪神に移籍した小林投手のフォームもやはりアンダースローで魅力的でした。

私が少年時代に所属していたチームのピッチャーも変則のサイドスローでした。

なんともあのトリッキーな変な投げ方に憧れ、よく真似をして投げたものです。

 

一般的なオーバースローの投手は、巨人の堀内や江川はじめたくさのの大投手がいましたが、私にとっては特段魅力的に映りませんでした。

 

一方、テニスやゴルフはまずは少年時代から、正当な美しいフォームを身につけることから始めるからでしょうか、プロの世界でも変則的なフォームの方がほとんどいないように思います。

現在のアマチュア野球やプロ野球ではどうなのでしょうか?

(最近は野球もよく見ていないので詳しくは知らないのです)

 

ここまで、この変則かつトリッキーなフォームと書いていて、読んでいる方は何のことだか全く分からないと思い、少し検索してみました。

するとこんな投手が見つかり、やはり仰け反りました。

是非ご覧ください。素晴らしいの一言です!

 

九州産業大学の谷口優成投手!正に謎です。何故このフォームに行き着いたのか!

https://www.youtube.com/watch?v=KmMQ8GAJDUs

 

こちらは韓国の高校生、左腕投手です。一見普通の投げ方のように見えますが、右足の踏み出す方向に注目下さい!これは相当痺れます!私が女子高生ならBTSより彼に惚れますね。

https://www.youtube.com/watch?v=J_kuo8enL3M&feature=emb_logo

 

 

話は変わって、バーでシェイカーを振るバーテンダーさんもある意味教科書的な振り方をする方が殆どだと思います。

 

 ところが、以前、出張先で疲れ果て、夜、その疲れを麻痺さようと神戸ホテルオークラのバーに飲みに行ったことがあります。

 

その時、バーテンダーのNさんのシャイカーの振り方は実にトリッキーでした。

 

ある意味派手に、かつリズミカルに、踊るが如く振るのです。

しばし、無言でじっと見てしまいました。

その夜は、そのアクションを何度も見ようと色々と注文をしてしまいました。

ダイキリ、ヴェスパー、サイドカー だったか・・・・後は覚えておりません。

 

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どうも天邪鬼な私は「普通」とか「正統派」といったものにあまり興味がもてないようです。

毎度ながら変則的なもの、トリッキーなものに強く魅かれるのです。

 

非常事態宣言前からホテルのバーは休みのところが多いようですが、

早くまたバーエメラルドのNさんのシェイクを酔いながら眺めたいものです。

 

 

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故なかにし礼さんの著作を読んで

今日もコロナ禍のことを忘れるぐらい快晴です。青空です。

 

以前、ある作家さんに会えるかもしれないと、その方が行き付けだと聞いた店へ、知り合いから紹介してもらい行ったことがありました。

銀座のクラブM子というお店です。

 

中に入っていくと、その正面の席に非常に目つきの鋭い、正直に言えば目つきの悪い男性がこちらをじっと睨んでいました。

あたかも「お前たちのような若造が来るような店じゃない!」と言っているような表情でした。

その男性はなかにし礼さんでした。

 

このM子は銀座でも一番の(料金ではなく、客層が一番の)クラブだそうで、その夜もなかにし礼さん以外にも方々が何人がいらっしゃっていました。

 

しかし、作詞家さんのあの怖い目はいったいなんなのか??と思ったものでした。

 

そのなかにし礼さんが昨年末、82歳でお亡くなりになられました。

これまで約4,000曲を作詞し、私の子供時代には、年間のベスト100曲の内、40曲をなかにし礼さんが作詞した曲が入ったといったこともあったようです。

 

年末年始になかにし礼さんの小説「夜の歌」を読みました。

 

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以前に同氏が書いた満州からの引き上げのことを書いた私小説「赤い月」と、戦後日本に戻ってきてから起きた特攻隊帰りの希代の詐欺師的不良であった実兄との関係を書いた「兄弟」を合わせて1冊にし、より小説風にした作品です。

 

これらの書籍を読むと分かることがあります。

なかにし礼さんのあの恐ろしい目は、おそらく、少年期の引き上げ体験と実兄と関係において数々の地獄を見たことにより形成されたと。

 

私の親世代は丁度、なかにし礼さんと時代が重なります。

よって、子供時代を満州で過ごし、敗戦後に日本へ引き上げて来たという親をもつ同級生や友人が何人もいます。

 

しかし、これまで、間接的にも満州からの引き上げ時の状況は聞いたことがありません。何故でしょうか?それは語るにはあまりにも残酷な出来事の連続だったからなのだと、なかにしさんの著作を読んで理解した次第です。

 

この小説を読んで知った事実として、やはり非常に(なかにしさん同様に)残念だったことは、旧満州関東軍やその家族が日本人移民を残して我先にと帰国した、または帰国しようとした事実です。

 

南下するロシア軍から逃げる為の輸送列車にも、最終的に日本へ帰国する為の輸送船にも、先ず関東軍の兵隊やその家族が乗り、次に「官」である満州鉄道の関係者とその家族、最後の最後に一般移民であったそうです。

満州へ移民した日本人は、ロシアの参戦を受け、彼らから暴行、略奪を受けたと。

 

さて、もう1冊、年末に幸田真音さんの著作「天稟」も読みました。

 

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山種証券創設者、山崎種二の人生と戦前戦後の日本経済の危機を描く経済小説です。

 

個人的に印象に残った点は、戦後日本が民主国家になった後に実施された「新円切り替え」、「預金封鎖」と「財産税の課税」という一連の施策です。

 

国家の財政破綻を避ける為に実施されたとはいえ、正に見事なほどに残酷な施策です。現在の現状を踏まえ、今後もこう言ったことが再び起こらないとは言えないと感じたのです。

 

国家にとって、政府にとって、一番大事であるのは国民の命であり国民の財産であると思いたいのですが、かつて日本政府は、止むを得ない事情があったとは言え、国民や国民の財産を二の次、三の次のした「過去」があるのです。

 

 

 そう言った意味ではこの2冊を是非お勧めしたいと存じます。

 

さて、現代に目を移しますと、今後経済政策において、最後の最後まで国家を信じて良いのかと感じています。

円なる通貨は大丈夫なのかと。

現在の空前絶後の金融緩和の後に財政破綻のリスクはないのだろうか。

 

もしも、そうなった場合、またはそのリスクが増大した時、国家(政府)は国民や国民の財産を二の次にして再び同じ施策を行うことはないだろうか?

 

個人的には、やはり最後の最後は自分で自分を自分の財産を防衛しなければならないと思います。

それは正に、なかにし礼さんのお母様が、関東軍満州移民の保護を放棄した後、現地でご主人を亡くし、その後二人の子供を抱えて満州から帰国したようにです。

 

 

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エクセル重視の不動産投資におけるリスク

不動産投資の最盛期はもう過ぎたようです。

今回は、私は実際にお会いした個人投資家の方で実に驚いた事例をご紹介したいと思います。

 

その方は、東京在住の方ですが広島市内の一棟の物件を購入しようということで相談に来られました。

数日後に契約予定といったスケジュールだったと思います。

私は、物件を見ていないので資料だけからの判断であることを断って、幾つかの問題点を指摘させて頂いたのですが、

 

「その程度のことであれば契約しようと思います」

とおっしゃいました。

私は、

 

「契約前に広島の現地をもう一度見て、ご指摘した点や周辺環境やマーケットを確認した方が良いですよ」

 

とお伝えすると

 

「実は、物件は見ていません。銀行が融資してくれるということと、収支が合うのでもう契約しようと思います」

 と。

 

実際、その方は自分で幾通りものシュミレーションをしたエクセル表を見せてくれました。

 

 「いや〜それでも絶対に一度は契約前に現地を見て、最低限こういったことは確認した方が良いですよ」と申し上げました。

 

しかし、笑顔で

エクセル上の収支が合って、

銀行の融資が付いた物件で、

しっかり手元に現金が毎月残るのだからもう大丈夫ですとの判断でした。

 

私としても資料を見ただけで、現地を見ていないのです。土地勘も東京に比べれば殆どありません。よって「親戚の従兄弟が広島市内で税理士をやっているので立地のことだけでも聞きましょう?」とお尋ねすると再び笑顔で「大丈夫です」ということでした。

 

あれからもう結構な月日が経っていますが、あの投資行為は、その後どうなっているでしょうか。

 

エクセルは便利な道具です。が、エクセルによるシュミレーションは、美しい数字の羅列であり、心の安心材料にはなりますが、不動産投資における肝心要ではありません。

あくまでも投資を行う上での道具の一つであり、シュミレーションも判断材料の一つでしかないのです。

それ以上でもそれ以下でもありません。

 

実際に、現在のコロナ禍の現状がよい例ですが、あの時のシュミレーションが絵に描いた餅でしかなかったということが起こり得るのです

 

昨今あれれ?と感じることは、物件そのものや、周辺環境やマーケットを十分に調査しないで、エクセル表ばかりをいじって安心している投資家が増えたように思います。

エクセルは元々は売り手、つまり営業サイドのツールであることを忘れていけません。

安心を与える為のツールです。

自分がエクセル教の投資家になってはいけません。

 

数字は嘘をつきませんが、数字そのものが今の時代、大きく激変するリスクをはらんでいるのです。

そのことを忘れてはいけません。

そして、その時のバッファーは何か?それは、やはりその物件がもつ本来の「力」であり「体力」「耐性」なのです。

そしてこればかりはそう簡単には数字にはできない部分です。

 

昨今のコロナ禍で、一定の物件で空室率の上昇や家賃の下落が徐々に、そして確実に起こって来ています。

一方全く影響のない物件も存在します。

その差は、当然ながらエクセルでは表すことができない部分なのです。

 

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 「不動産のトラブルを未然に防ぎ、かつ解決します」

長谷川不動産経済社

 

 

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