新東京邂逅記〜出会いこそが全て〜

人、書籍、不動産、投資、金融、経済、歴史、語学、リベラルアーツとの出会いをここに記す。

バークシャー・ハサウェイ株主総会開催

先日、ウォーレンバフェット率いるバークシャー・ハサウェイ株主総会が開かれました。

 

あれだけ長時間、様々な質問に答える株主総会が果たして他にあるでしょうか?

それもバフェット及び共同経営者であるチャーリー・マンガー、共に90歳を超えているのです。

 

長時間の株主総会の模様は以下のリンク先から拝見できます。

 

https://www.youtube.com/watch?v=Dv97-S9ZL-8

 

バフェット氏が語った米国の現状として

「このまま紙幣を刷り続け(過度なインフレにより)通貨が制御不能になるまで、結果どこまで行けるかは誰にもわかりません」

「特に、世界の基軸通貨であるドルの場合はなおさらです。」

「しかしドルに変わるもの(通貨)は存在しない」と。

 

バフェット氏は、第二次世界大戦後、インフレ率が急速に上昇したことを指摘し「非常に注意する必要があると思います。インフレの悪魔が出てくる可能性がある」と指摘しています。

バークシャーはインフレに耐えるために他の投資家よりも準備ができていますが、完全には準備ができていない」とも言っています。

 

私達もインフレに耐えうる資産をもつ、または資産構成を形成する必要があると思います。

 

またバフェットは「(ポピュリストの)政治家が票を買うためにお金を印刷すること(超金融緩和を実施すること)は、ある時点では逆効果になるだろう」と。

 

共同経営者のチャーリ・マンガー氏は、日本は金融政策と財政政策に関して「不可思議な行為を行ってきた」と指摘し、「日銀は大量の債券と株式を購入し、さらに経済は停滞しているが、今すぐ地獄に行くわけではない」と発言しています。

但し「彼らを真似すべきではないと思う」とも付け加えました。

一方、バフェットも「お金を印刷し続けるのは狂気だ」と言及しています。

 

投資の神様は、自分達の言葉の影響力をよく分かった上での発言しているはずです。よって相当オブラートに包んだ表現をしていると思われます。つまり本音はもっと厳しいものであると想像すべきかもしれません。

 

私も上記の動画の詳細を見て今後の参考にしたいと存じます。

この株主総会における両者の発言は、今後のセミナー等で皆様とも共有して行きたいと存じます。

また、様々なメディアでもコラムとして取り上げたいと思います。

なんせ投資の神様達の発言ですから、株式だけでなく様々な投資分野、及びビジネスに活用できるかと存じます。

 

引き続きよろしくお願い申し上げます。

 

長谷川高

 

 長谷川不動産経済社

欧米並みの住宅ローン金利急上昇に備えよ!!

*以下、日刊ゲンダイ9月20日号へ寄稿した記事の原文です。

 

欧米各国の金利が徐々にかつ確実に上昇してきました。これはいわゆる消費者物価指数が大きく上昇してきた結果、各国の中央銀行がインフレを抑えるために政策金利を上げているわけですが、どうやらこの物価の上昇もそれを抑えるための政策金利の上昇もここ数ヶ月で終わるという事はないようです。

 

今後もどこまでもこの物価が上昇していくならば、いわゆるハイパーインフレとなり経済そのものが破壊されることになります。果たして今後どうなるのでしょうか。

 

さて、インフレを抑制するためには政策金利を上げるというその根拠は何でしょうか?

何故金利を上昇させることによってインフレが収まるのでしょうか?

教科書的に解説するならば、金利が高くなることによってお金を保有する個人や法人がものを買うことをやめて、お金を貯蓄に回すようになる、これにより消費が減る=需要が減るということなのですが。

しかしながら、本来欲しいものや必要なものを買わずに、敢えて貯蓄に回そうと思う程の金利とはどの程度なのでしょうか。それは当然ながら1〜3%ではないはずです。また、別の表現をするならば、この金利を上昇させる意味合いは(企業や個人の借入金利を上昇させることにより)経済を破壊し、消費すなわち需要を押さえ込むというものです。

 

日銀は今のところ金利を上げることをしておりません。

しかしながら、日本の食料自給率が約37%(アメリカ121%、イギリス70%、ドイツ80%)エネルギーの自給率も日本約12%(アメリカ104%、イギリス71%、ドイツ34%)といった状況下、世界中でインフレが起きている中、このままインフレも起きないという事は現実的にはありえないことではないでしょうか(個人的に既に起きていると感じますが)。

 

前述のように我々は生活していく上で必要な食料やエネルギーの大部分を輸入に頼っているわけです。

さらには、今、正に円安が激しい勢いで進んでいます。

この現実を踏まえれば、日本の物価だけが上昇しない理由はないのです。それも先の通り、僅かに金利を上昇させれば短期間でインフレが収まる訳ではないのです。

 

さて、日本で金利が上昇した場合、借り入れを起こしている個人や法人は極めて厳しい状況になるわけですが、我々一般庶民における一番身直な問題は「住宅ローン金利」ではないでしょうか。国土交通省が2022年3月に発表した「令和3年度 民間住宅ローンの実態に関する調査 結果報告書」によると、令和2年度の住宅ローン新規貸出額のうち、実に70%が変動金利を利用していると。おそらく多くの方は、金利が上昇していったときには固定に変えればいいといったお考えだと思われます。

 

しかし、その時には既に固定金利金利も上がっているでしょうし、万が一失業したばかりであるとか、または転職した直後であった場合には新たにローンを組み直すことすらできなくなる可能性もあります。

 

現在、変動金利で4,000万円を住宅ローン金利0.8%といった超低金利で35年借り入れしている方の毎月の返済額は(元利均等払いで)約11万円ですが、万が一この金利が5%に上昇した場合、毎月の返済額は20万円となります。

 

因みに米国では既に住宅ローン金利は約6%まで上昇してきました。

こういった「万が一」のことに備えておくということがこれからの時代生き延びて行く上では非常に重要なことではないかと思います。

 

 長谷川不動産経済社

一息付ける場所

東京では、街が目まぐるしく変わっていきます。

コロナ禍の影響で特のこの2年は加速度が付きました。

ああ、あの店に行っておけば良かったと後悔することが何度もありました。

 

本当に一息付ける付ける場所があることは幸せですし、

そもそもそういう場所と出会うことができたら幸運ですね。

 

 長谷川不動産経済社

 

食料危機に備えて農地を確保する

実は、インフレに伴う金利上昇以上に心配していることがございます。
それは食糧危機の問題です。


スーパーであれだけ多くの食品が並んでいるのを見ますと、この日本において食糧危機が起こることなど想像できないと感じると思います。

(不安を煽るのをやめなさい!との声が聞こえてきそうですが)

私自身もこれまで生きてきて、食糧危機など一度も経験をしたことがありませんので正直リアルに想像することが難しいのも事実です。


しかしながら、あれはいつだったでしょうか、日本国内の米が天候不順で不作となり急遽タイからタイ米を輸入しましたことがありました。

皆さまの中にも覚えている方も多いと思います。

東京の一般家庭でも米屋でタイ米を当たり前のように購入したのです。

牛丼の松屋でカルビ定食を食べた時、やはり国内のお米とは比べ物にならないタイ米が出て来た時の驚きをよく覚えております。


日本は、米の自給率が100%を超えているわけですが、それでもあの年のように米が不作となり足りなくなることがあり得たのです。


一方、今年の欧州では降水量が少なく500年振りの大規模な水不足が多くの国で起こっています。

これは昨今の地球温暖化による異常気象の結果だと言われています。

今後世界においてこのような地球温暖化を原因とする様々な異常気象が起き、農作物の不作が起こることは大いにあり得ると考えています。

 

日本の食料自給率は約37%です。6割以上の食料を輸入に頼っている現状をどう捉えたら良いでしょうか。


昨今の異常気象は一国だけで起きるのではなく非常に広い地域つまり、国をまたいで起こっているのが現状です。

我々が輸入し日々食べているものが外国から入ってこなくなる可能性は当然ながら起こり得るわけです。

平時では輸出していた食料も不作になれば、国内での消費が優先されるのは当たり前のことです。

 

1945年太平洋戦争が終わった後、私の祖父と当時小学生だった母は親子2人で親戚を訪ねて祖父の故郷である岩手県水沢へ向かったそうです。

衣類や金品と米を交換してもらいに。

しかしながら、結局、米は1粒たりとも分けてくれなかったと。

それでも味噌と醤油を交換してもらって帰ってきたと。

 

こういったことがもう一度日本に起こるのではないかと私は危惧しております。

あまりにも悲観的かつ心配性な考えでしょうか。

 

別の言い方をするならば、そういったリスクが多くはないのかもしれませんが、数%いや、数十%はあるのではないかと思っております。

よってこれにどう備えるかといった事を含めこれまで農地法を研究してきました。

 

農地法には驚くほど様々な規制があるのですが、端的に一般市民から見れば、農業に従事している者以外は農地を所有できない、つまり購入できないと言う側面があります。

 

よって、通常、農業以外の仕事に従事している者は、農地を買うことを所有することもできないのです。

(勿論一部の例外はあります。)

 

しかし、食料危機を想定するならば、そこをどうにか打破しなければなりません。

 

 長谷川不動産経済社

チャーハンが不味ければ天津飯も不味い。

これまでいろんな方々が、中華料理屋の良し悪しを判断するには先ずはチャーハンを食べたらいいと。

 

私もその通りだと思います。

チャーハンがやはりとびきり美味ければ他の料理もおいしいですし、チャーハンが中途半端な味にもかかわらずその他の料理がおいしいといったことも今までほとんどなかったように思います。

概ねチャーハンが美味ければければ、天津飯も野菜炒めもレバニラも高い確率でおいしいと。

 

ところで、ここ東京には様々な占い師の方々がいらっしゃるようです。

私はほとんど興味がありませんが「どこどこの誰々は当たるらしい」といった話は時々耳にします。


ある国会議員の秘書の方がおっしゃっていましたが、国会議員の中にも占いの先生のところに行って自分の運勢やら将来の方向性をみてもらっている方が少なくないそうです。
そして、そのお礼の金額たるや数万円から1回で百万円超まで様々だと。


また、その方曰く、やはりその中でも、偽物はべらぼうな金額を取る傾向があるそうです。

逆に「あそこは本物」と長く多くの議員に慕われている方ほど意外にエコノミカルな金額だそうです。

これは、宗教や代替療法なんかにも同じことが言えそうです。

 

さて、例えば「投資」の分野においても(専門家がやたら多い業界ですが)入り口段階で、その良し悪しを見抜く方法があるように思います。


それは、中華料理屋における「チャーハンの味」と同じようにとてもシンプルです。

以下のような言葉を使う方は個人的にはどうかと思います。


「〜すれば必ず儲かる」
「こういうやり方をすれば100%勝てる」
「〜は間違いない」」
「〜は絶対損しない」

つまり、投資の世界において、「100%」とか「絶対」とか「必ず」とか「間違いなく」といった事は有り得ないのです。

 

それにも関わらずこれらの言葉を使うということは、どういうことか?やはり本当のプロではないのだと思います。


こういった言葉を使われた瞬間に、私なら多分もうそこで終わってしまいます。
つまり中華料理屋であれば、チャーハンを食べてそこで終わり、席を立ちます。追加で餃子やレバニラを注文することはないかと。

 

 長谷川不動産経済社

インフレがもたらす重大リスク 日本も他人事ではいられない

昨日(2022年8月26日)のニューヨーク証券取引所市場においてダウは久しぶりに1,000ドルを超えて下落致しました。

1,000ドルも下落するのは私の記憶では2020年春、新型コロナ感染症の猛威が始まった頃以来のように記憶しております。


米国FRBのパウエル議長が今後も「利上げ」を「完遂」:することを宣言いたしました。

それだけ、現在米国のインフレが高まっているわり、このままではこれが長期化しさうとの判断だったわけです。

同時に今後、一連の金利の上昇によって経済成長の鈍化や労働市場や家計や企業に悪い影響与えるだろうと。


そもそも金利が上昇するとなぜインフレを抑制できるのでしょうか。
例えば、0%の金利を0.5%に上げたからと言ってインフレを抑制できるのでしょうか?


経済原則的な解釈としては金利が上昇することによって、企業や個人がお金を投資や消費に使わず、保有し続けることで利息を得ようとするようになると。投資や消費が弱まれば需要が減り、インフレが抑制されると。しかし、これは杓子定規な教科書的な表現です。


私なりのシンプルな解釈としては、金利が上昇すれば当然ながら借り入れを起こしている企業はより多くの利払いを迫られることになります。

借り入れを起こしている企業だけではありません。住宅ローンを組んでいる個人でも同じことが言えるわけです。

つまり借金しているものはおしなべて窮地に陥るのです。


更により分かり易い表現をすれば、インフレを抑える為に金利を上げて、経済を一旦「崩壊」させると言っても良いのではないでしょうか。

つまり「不況」を容認するということです。

 

借り入れを起こしている法人や個人はあまた存在します。

彼らの経済を停滞または一旦崩壊するには多少金利を短期間上げるだけでは当然効果は限定的です。インフレ退治にならないのです。

それ故、やはり「それ相当に上げる」必要があるのです。

 

パウエルFRB議長は、そういった副作用も承知に上で今のインフレを制する必要があるという判断だったわけです。

 

それ故、ダウは1日で1,000ドル下がったわけです。

ナスダックも−3.9%とダウ以上に下落しました。

一方、日本はアメリカとは事情が異なると言い続けることが可能でしょうか?


日本はエネルギー資源の大半を外国に委ね、同じく食料自給率も約37%程度と海外に頼っているのです。


今後日本でも同じことが起こる、または日銀が同じような政策を取る事は避けられないのではないかと私は個人的に考えております。

日本の場合は更に国の債務比率が他の先進国に比べても圧倒的に高いので、ハイパーインフレになる可能性も有り得ることを注意すべきです。

その可能性は数%かもしれませんが、起こった時は大変なことになります。


これに対する100%の処方箋や対抗策はありませんが、多少なりとも今から備えておく必要があると思います。

 

 長谷川不動産経済社

体験することの重要性 分かっているようで分かっていないこと

最近講演等で今後の不動産市況予測などいろいろ話ししてると「あれおかしいな」と思う時が時々ございます。


それはどういうことかと言うと1990年前後の不動産バブル崩壊の話をしても、どうもよくわからないなぁといった顔をされている参加者が増えてきたように思うのです。

更にはリーマンショックの話をしても「どうもぴんとこないな」といった顔をされている方もいるように思います。


考えると、1990年と言えば今からすでに32年前です。よって現在40歳の方でも当時は8歳です。そんな経済ニュースなど全く記憶にないわけです。

30歳の方は、会社では既に1人前に働いてらっしゃるわけですが、リーマンショックの時はまだ高校生か大学生ですので、やはりこれまた殆ど記憶にないわけです。

 

かく言う私も、(再び経済情勢が似てきたと言うことで)最近話題になる「アジア通貨危機」のことを思い出そうとしても、実はほとんど思い出せないのです。

正確に言えばそんなことがあったと言う記憶はあるのですが、それがどういった内容だか詳細を記憶していないのです。

 

なぜならば当時私は今ある会社を起業したばかりで、正に自分のことで精一杯であり、アジア各国の経済的危機に目を配る余裕や、そこから何かを学ぼうなどと言う姿勢も全くありませんでした。年齢的には誠に恥ずかしいことですが。


やはりこれでは駄目なのです。言葉だけ知っていても駄目なのです。

なんとなく辞書的に知っているだけでは役に立たないのです。

それは働くビジネスマンとしても投資家としてもアウトなのです。

よって、アジア通貨危機に関しては(恥ずかしながら)今更何冊も本を読んで勉強をしているわけです。

 

しかしながら、実際に体験したこと、つまりその経験値と申しますか肌で感じた感覚は、やはり数十冊の本を読んでも及ぶものではありません。


私の親世代は太平洋戦争のことをよく話します。私は私なりに記録映画や本で学びましたが、やはり当時の事を腹の底ではわかり得ないのです。

 

それでも、まだ知る努力をすることで多少何かが違ってくるとも感じています。

投資においても、ビジネスにおいても、これから「先」のことをある程度判断しなければならない状況が度々訪れます。

その時にやはり参考になるのは「過去」なのです。

これをしっかり記憶に留めているか、そこから何かを学び取っているのか、といった事は最も単純でありますが、重要なことです。


私たちは自分が体験できなかった「過去」があるならば、それを何らかの方法で学ぶ必要があります。

現在であれば書籍や映画や動画で知る、この努力を怠るべきではないと思います。
私自身も日々そのように努めています。

 

 長谷川不動産経済社