新東京邂逅記 by 長谷川高

厳しい時代を生き抜く為の資産防衛と不動産戦略

サブ・プライムローンに関する会話

米国住宅ローン会社で、米国大学を卒業し入社した
日本人新入社員と米国滞在20年の日本人上司の会話です。
(仮定のお話しですよ)

  • 新人

「何故うちの会社は、低所得者に住宅ローンなんかを積極的に
提供してきたのですか?」

  • 上司

「そりゃー高い金利が取れるから、儲かるからじゃないか」

  • 新人

「でも、低所得者は、支払いが滞ることがあるのでないですか?」

  • 上司

「大丈夫だったんだよ。担保の家が値上がりしていたから
返済できなければ、値上がりした家を処分して返済してもらえば
良かったんだから」

  • 新人

「でも最近、返済も滞り、何より担保に取った家が値下がりして
きてますけど・・・大丈夫なんですか?」

  • 上司

「そういうこともあろうかと、そのうちのローン債権を証券化して、
親会社や証券会社によって他社へ売ってしまっているだよ。
だから、返済されなくても困るのはその証券を買ったところなの」

  • 新人

「どんな人がその証券を買ってくれたのですか?」

  • 上司

「そんなの俺は、知らないけど、世界中の投資法人が買ってくれた
みたいよ。高利回り商品だって人気があったんだよ。」

  • 新人

「なんでこんな危ない商品が世界で売れたのですか?」

  • 上司

「何でも高い利回り商品であればよかったのよ。評価機関の
格付けも高かったしね。」

  • 新人

「なんで、こんな危ない商品の格付けが高かったのですか?」

  • 上司

「そりゃー、金融商品を格付けできる人も、担保の不動産を評価
できる訳ないだろうよ。それも一件一件。ようはテキトウな評価
をしてきたのよ。」

  • 新人

「僕らは、これから住宅ローンを彼らに売れるのですか?」

  • 上司

「もう、貸せないだろう。だって証券化できないからな〜。
リスクを俺たちだけで抱えるには、無謀なローンだものな〜」

  • 新人

「本来無謀なものを貸し付けて、証券化して他社に売っていた
のですか?」

  • 上司

「その通り、元来アメリカの消費者は、担保の価値が上昇したら、
その分を現金でもらって、車を買ったりするし、そもそも日本
では借りれないような人に貸していたのだから・・・
投資家は、常に高利回りのものを求めているし・・・まあ、
過剰な物欲と市場での金余りの局地だね。うまくマッチしたのよ」

  • 新人

「家の値上がり分を更に銀行から借りて、そんな人がトヨタ
車なんかを買ってくれたのですよね?」

  • 上司

「まあ、それをコールセンター作って電話で提案して勧誘
したのは、我々だけどね・・・値上がりしてますよ、
お金更に借りれますよ、好きなもの買えますよ・・・・
家の価格が上がりましたからって・・・」

  • 新人

「なんか、どことなく、大学で学んだ日本のバブル崩壊に似
ていますね。」

  • 上司

「最期は、やり過ぎた銀行に付けがきて、かつ個人が破産する
ということは全く同じだな。違うところは、証券化によって
その影響が広くある意味薄く広がったということだな。」

  • 新人

「歴史は繰り返すということですか?」

  • 上司

「そうだな、資本主義における会社の目的と人間の欲は
何時の時代も同じだからな。
日本での教訓が意外とアメリカで活かされてなかったな〜。」

  • 新人

「なんか、他人事みたいですね。うちの会社は、これからどう
なるの?」

  • 上司

「もう、低所得者に住宅資金を貸すのは無理だから、低所得者
向けのアパートの建設ローンを貸し出すか!」

  • 新人

「それ、大丈夫なんですか?」

  • 上司

「大丈夫だよ、また証券化して、不動産のことが分からない人間
に売れば良いのだから。」
デジタル不動産コンサルタントLTD. 長谷川高