新東京邂逅記 by 長谷川高

厳しい時代を生き抜く為の資産防衛と不動産戦略

街並みが資産価値を上げる。

先日、三井不動産さんの友の会誌「こんにちは」を読みました。
三井さんにマンションや戸建ては、他の中小デベロッパーより割高ですが
非常によく売れいます。
例えば、弊社が調査した物件でも、こういった大手企業の戸建て
住宅の価格は、周辺の売買事例に比べ、同エリア、同規模
の物件でも
300万円から600万円超の差が生じています。
それは、「三井不動産」という名前だけでく、商品そのものの構造や
仕様レベルの社内基準に高さにもあります。
更に、私が、一番の理由と感じることは、こういった企業による「面開発」、
分かり易く言えば、「三井らしい街並み」の形成が価格形成に大きく
寄与していると思います。
同会誌によると、現在、三井さんは、
「セントラルタウン武蔵村山学園通り」なるプロジェクトを進行中です。
この戸建て分譲地である武蔵村山市という立地は、陸の孤島(と私の地元では
こう言われていますが)でのチャレンジ物件です。
同エリアでは、中小の競合他社の戸建物件も数多くあるはずです。
しかし、三井さんなら約100区画分の美しい街並みを形成し
この難しいエリアで、彼らの事業は、成功するかもしれま
せん。
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さて、人気のある住宅地とは、どんな住宅地でしょうか。
一般的には、交通の便の良い場所であるか?つまり、企業が集まる
中心街にいかに便利に通うことができるか。
また、最寄の駅から至近距離にあるのか。
また周辺環境が良好かどうか。以上のようなポイントを総合的に
判断し、住宅地の良し悪しを決定していることでしょう。
しかし、これには、最も大切なポイントが抜けています。
日本全国どこにでも、いわゆる「高級住宅街」と呼ばれるエリア
があります。こういった住宅街は古くからの歴史を引き継いだ住宅地
もあれば、近年開発されたものもあります。  
こういった人気のある住宅地の共通点は何でしょうか?意外なことに、
必ずしも駅の近くにあるといった交通の利便性だけではないようです。
また東京であれば、必ずしも都心の中心地にあるということでもあり
ません。
それではいったい「何が」共通のポイントかと申しますと、一言で言
えば「美しい街並み」をもつ住宅街であるかどうかということだと思
います。
東京都内で言えば、「田園調布」、「成城学園」や「国立」といった
街が正にこれに該当する典型的な街であると思います。
これらの住宅街は、他のエリアに比べ、

  1. 住宅地の一つ一つ区画が、ある一定規模以上に統一され、ミニ開発が行なわれていない。
  2. 街を形成する道路街区が、ある一定の規則により整っている。
  3. 美しい街並みを形成する条件となる規制や住民の自主的ルールにより、建築的制限が存在することがあげられます。

これらの住宅地は、交通の利便性が特に優れているとは言えませんが、
その街がもつ魅力ゆえに過去から現在において常に高い資産価値を維持
しています。

これまで、戸建住宅の事業者は、ほとんどが小規模な地元の工務店
担ってきました。
しかし、現在の消費者は、厳しい選択の目をもって戸建住宅を購入し
ています。
その一つの大きなポイントが、その戸建住宅そのものの良し悪しだけでなく、「街並み」として果たして魅力があるのかという点を重視しています。
この「街並み」という、「点」ではなく「面」としての評価が住宅地
としての評価を左右する傾向は強まってきています。
先の「高級住宅街」の例でも明らかなように、「面」としての街全体的が
魅力のある開発がなられているかが重要と言えます。
そして、その「面」としての評価が、その一つ一つの住宅の将来の
「資産価値」、つまり「人気」に大きく関わってきます。
小規模の2・3区画のミニ開発の住宅と数十区画の面開発の住宅では、
新しい魅力ある「街並み」をつくるという意味において、明らかな違
いが出てきてしまいます。それ故、実際の不動産市場でも、人気は
2極化していくことと思います。
どういった全体的なコンセプトで「街づくり」を行っているのか、
どういったデザインで統一しているのか、そういった街造りの基本、
根幹が家自体の良し悪し同様に非常に重要になってきています。
実例としては、都市デザインシステムが、成田空港の少し手前である
「富里」という立地で成功しています。
独自の美しい街並み作り出すことによって、一般的には、難しいと
されるエリアでの分譲事業の良い例です。
長谷川高(デジタル不動産コンサルタントLTD.)