最近、業界の方に会うたびに出ていくる言葉は、
「厳しい」、「この状況は、バブル崩壊時と同じだ」
「仕入れ、ストップ」、「兎に角、在庫販売のみ」
といったものばかりです。
去年までは、冗談で「うちの会社、駄目かもしれない」
といっていた言葉が、今や現実味をおびできて、
最近ではあまり冗談も言えない雰囲気になってきました。
(ある意味、恐ろしい段階です。)
十数年前のバブル崩壊を知らない30代の現役プレーヤ
ーの方は、今の状況をそれなりにびっくりされていると
思いますが、私の世代は、「また来てしまったか・・・」
というのが本音だと思います。
今回は、今思うと不動産の絶頂の時期も短かったです。
それ故、回復するのにも、前回程(十数年といった
長い時間)はかからないでしょう。
また前回は、不動産業界だけでなく、他業種、
特に金融機関の毀損が激しいものがありましたが、
今回は、今の所、不動産業界周辺に限定されているとも
言えます。
日本の不動産の上昇と下落のサイクルは、短くなって
きています。
最近、不動産を見ていて、
プロから見ても「これはなかなか面白いな」
と思えるものがちらほら出てきました。
今、現金を保有している方は強いです。
一番厳しいのは、「不動産流動化」なる、いわゆる「転売」
ビジネスをしてきた企業です。
銀行が追加の融資、及び返済の延期を一切断ってきています。
はたしてどうなるのでしょうか?
しかし、
不動産における成功者は、土砂降りで何時晴れるか全く分らない
時に、底を見極めて将来に投資できる者のみです。
*******************
「金持ち父さん、貧乏父さん」の著者、ロバート・キヨサキ氏も
要は、不動産がバーゲンセールの時に買ったからお金持ちに
なったのです。もし、高い時に買って、その後不動産が値下がり、
金利が上昇し、空室が上昇したら、
単に「アパートローン破産父さん」になっていただけで
何も始まりませんでした。
あの本は、不動産(金融)リテラシーの啓蒙書としては、
よくできた内容ですが、結局何が彼を金持ちにしたのか
と言えば、やはり、下がった時にバーゲン価格で買った
以外の情報は何ら伝わってきません。
よって、我々専門家からしますと、読み物としては
非常に面白い内容ですが、特に得られた新たな情報は、
あまりありませんでした。
おそらく、実情も、何か特殊なノウハウがあったのではなく
(そういったことを敢えて書かなかったのではなく、
本当に特にノウハウ的なものは無かったのだと思います。)
彼が成功したのは、ただ単純に、良い時期に不動産を買った
ということだと思います。
または、その時期をしっかり見極めたということでしょうか。
そういう意味では、我々にも皆さんにも、一般の実需で
マンションや戸建てを買おうとしている方にも
これから、やっと面白い時期に来ようとしているのではと
思います。
おそらく、今後多くの不動産が値引きをされて販売されるでしょう。
でも、値引きをしたからと言って、
その不動産の本来の価値に価格合致したかどうかは全く
別問題です。
やはり価値>価格といった物件を見つけることを努力すべき
ですし、それが実現できる時期に突入したと感じています。
新価格や新新価格で不動産を買う時代は終わりました。
今は、「逆」新価格で不動産を買える時代です。
皆さん、決して焦らず行きましょう。
長谷川高(デジタル不動産コンサルタントLTD.)