新東京邂逅記 by 長谷川高

厳しい時代を生き抜く為の資産防衛と不動産戦略

実に面白かった「米の不動産王」の記事

先日の日経ヴェリタスに米国の不動産王サミュエル・ゼル氏の
インタビュー記事が掲載されていました。
実に興味深い記事でした。
同氏(67歳)は、大学時代から不動産投資を始め、6000億円
個人資産を築き、2007年初めに(サブプライムショックの前に)
自ら経営する米国最大のリートを約4兆円で売却したとのこと。
きっかけは、不況期の1970年代に底値で不動産を買い集め、
オフィスビルでは、米国最大の大家になり、「墓場のダンサー」
と呼ばれているそうです。
この方は曰く、現在は、ブラジル、中東、中国に投資している
そうです。(しかし、ブラジルは5年前から投資しているそうで、
当然ながら、今からということではありませんので、ご注意を)
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この方のインタビューに対する答えが非常に明確で芯を捉えた
内容です。一部紹介しますと
−日本には投資しませんか?
「どうして日本に投資しなければならない?日本は人口が減って
いるのに対しブラジルは増加している・・・」
−日本のリートは最近下落していますが、米国のリートと比べて
どうか?
「米国では、第一級の不動産が組み込まれているのに対し、日本
ではそうでない、いい物件は三菱地所保有している。六本木
ヒルズの様な物件がリートに全く入っていない。米国のリートは
日本のリートのもつどの物件よりも良質のものが組み込まれている」
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確かにおっしゃる通り、地所も森ビルも、一級品の物件は、全て
未だに自社所有。系列のリートに組み込まれているのは、
二級品、三級品ばかり・・・。
それでも他のリートから見ると相対的に魅力的に映るのか比較的
高値安定ですが、世界的な投資家から見れば、その魂胆というか
本気度というのでしょうか、まあ総合的な物件のレベルを見抜か
れてしまっているのです。
逆に言えば、三菱地所系であれば、丸の内の物件を幾つかとか、
三井不動産であれば、霞ヶ関ビル辺りを組み込めば、世界的な
投資対象のリートになるのでしょうが。
まあ、それは後世に取っておきたいということでしょうか。
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我々は、不動産においてグローバルにアセット・アロケーション
を同氏の様に行うのは、現実的には困難でしょう。
おそらく、日本人が買う時がこれまで同様、ピークの時でしょう。
皆さんの所へ無料の情報が入るころがつまりその国の不動産の
ピークだと思って良いでしょう。
近年、上海の不動産に投資した方、いませんか?大丈夫ですか?
よって、我々は同氏と同じ投資行動は取れませんが、この上記の
意見に真摯に耳を傾ける必要はあると思います。
つまり、日本の不動産はやはり何でも買えば上がるなんてことは
もう無いのです。
プロ並に、いやそれ以上に厳選に厳選が必要なのです。
長谷川高(デジタル不動産コンサルタントLTD.)