Japan Far East Real Estate

Hasegawa Real Estate and Economy, Inc.

オリックスが救済しようとしたジョイント・コーポレーションの破綻

以下モーニングスター社発表

ジョイント・コーポレーションは29日、東京地方裁判所に会社更生手続き開始の申し立てを行い、受理されたと発表した。負債総額は子会社のジョイント・レジデンシャル不動産と合わせ1680億円。
市場からは、「6月末に向けてマンションデベロッパーの資金繰りに対する不安が再燃するのではないか。また、ジョイントに投資しているオリックスに対する懸念が高まる可能性もある」(準大手証券)、「先日の決算説明会で、会社側が『今期見通しは銀行と交渉中であり話せない』と発言したことから危ないと思っていた。そのため、驚きはない。まだ何件かは破たんが続く可能性があるが、不動産市況はすでに底を打っており、セクター全体への波及はない。影響を受けるとすれば工事を請け負っているゼネコンであろう」(外資系証券会社不動産担当アナリスト)との声が聞かれた。

続いて、オリックスによる適時開示速報は以下の通りです。

2009年3月末時点で当社は、ジョイント・コーポレーション及びその関係会社に対して107億円の投資残高を有しております。更生計画の進捗状況いかんではありますが、今後、当該投資について損失処理が必要となる可能性があります。また、融資枠200億円を設定しておりましたが、融資実績・残高ともにありません。

業界では、オリックスがジョイントへ対して100億円の資本参加(2008年9月)により救済に動いた時に、不動産融資金額が多く過ぎて潰せないのだろうという声が大半でしたが、上記の発表に寄ると、融資実績及び残高とも無かったということでした・・・。噂は所詮噂なのですかね。
(既に融資分は代物弁済で全額分所有権移転していることも考えられますが、だとすればある意味流石ですが、債権額で譲渡を受けた物件の実勢価格は既に簿価を割っているでしょうから、今度はオリックスさんが抱えた物件を引き当てを積んで処理しなければなりませんね。)

しかし、ならば何故?あの時期にオリックスは、ジョイントに資本参加したのか全く理解できないですね。あの不動産においても目利きで有名な宮内さんも相当今回は思惑が外れたということでしょうか・・・。何故あのタイミングでジョイントへ投資したのか・・・謎です。

上記の事実から、現在分かることは、もうオリックスにはジョイントを救済するメリットも余裕も無くなったということです。
また、上記の外資系証券会社不動産担当アナリスト(誰なんだいったい?)のような「実情を分かっていない素人」の発言には注意が必要です。
アナリスト殿は「不動産市況はすでに底を打っており、セクター全体への波及はない」というご意見ですが、何を根拠に既に「底を打った」と言えるのでしょうか?
ジョイントが破綻すれば、ジョイントが抱えている不動産が大量に処理の為マーケットにこれから出て来るのです。更にオリックスさんに既に融資先を支える体力が無いのであれば、他の莫大な融資案件にも影響が出てくるでしょう。つまり債権者として債務者への売り圧力が強まるということです。
こういったことがマーケットに影響を与えないなんてことが何故言えるのか??と。オリックスさんの不動産関連融資は総額約3兆円超!です。300億円でも3000億円でもない3兆円!なのです。
もっと勉強してほしいですね。
しかし、○○アナリストとかいう各業界担当の経歴を見ると、実際は業界での経験が全く無い評論家的アナリストが実に多いですね。
本当は、業界のことなどよく分かっておらず、財務三表だけはいちよ見る能力があり、加えて業界へのインタビューした声を鵜呑みにする素人が多いのでしょうね。
企業がインタビューされて「うちのマンションは全く売れていません」なんて言うIRや代表がどこにいるのかって。いるわけが無いでしょう。皆さん、売れてなくても「うちはそこそこ悪くないです」とかなんとか言うものなのですから。
こういう机上の数字だけをにらめっこしているエセ専門家いや評論家(特に証券会社系、銀行系、及び住宅評論家?)のご意見には投資家の方も消費者の方もお気を付けになった方が良いですよ。
そもそも匿名というのはなんなんだ?

こういうことが起こると、5月14日のブログで既にお伝えしていますので、よろしければこちらをご参考になさってください。

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PS.
しかし、月曜から心配なのがジョイント参加のJート、ジョイント・リート投資法人の行く末です。
「リートとスポンサー会社とは別法人になっており、同投資法人に直接的な影響はない」との見解を示していますが、果たして月曜日以降の株価はどうなるのでしょうか。
株価が下がったら買うか?う〜ん保有物件のポートフォリオを見ると、個人的にはあまり食指が動きませんね。
とにかく新たなスポンサー探しが始まるのでしょうが、良い嫁ぎ先が見つかることを祈りたいものです。

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