Japan Far East Real Estate

Hasegawa Real Estate and Economy, Inc.

デフレと日本不動産

先日、三菱UFJ証券のチーフエコノミスト水野和夫先生の経済セミナーに参加してきました。
ある意味、非常に暗い気持ちになって帰ってきました。
数字で示されると反論しようがないです。


もう日本経済の成長は今後大きくは見込めないということを統計数字から解説されていました。
今後日本経済は、せいぜい毎年1〜2%成長するのがせいいっぱいであると。
少子高齢化の日本の将来は何となく分ってはいたもののはっきり数字で見せられると辛いものがあります。


端的に言えば、日本の製造業はもう今後売り上げを伸ばしても資源高により労働者の賃金を上げるまでの利益を出せる体質にはならない。
過去の景気の良い時にでも利益を出してはいたが、それは、原料の価格が上昇する中、どうにか労働者の賃金を抑えることで出してきた利益であること。


去年は一時的に世界不況で資源が下落したが、今後は、中国、インド、東南アジア、南米、アフリカが発展していく中で、資源高の傾向は避けられない。


何故ならば、(例えば)日本人は現在一人当たり約0.9トンの鉄を使っているが(車やテレビ等々)、途上国の人々の平均使用量はまだ約0.1トン。
しかしその人数は57億人(成長国は約10億人)。
その57億人が今後経済成長を遂げた場合、資源の需要に供給を明らかに追いつかない。
よって今後更なる資源高になるのは避けられない。


資源高=原料高であり、日本の基幹産業である製造業は益々苦しい状況になると。
日本全体としての貿易収支も資源高によって再度赤字化すると。
(海外で高性能の製品を高く売ろうにも、今はサムソンや台湾メーカー将来は中国メーカーがいて、これまでのように日本メーカーの思うような価格では売れない。)


よって安く原料=資源を買って製品を米国中心に高く売る時代はもう完全に終焉したと。


よって今後も益々給与は伸びず、よって国民の購買力も低下、物価は上げられず、デフレが続くと。


日本はどうなるのか?水野先生の結論は、
「日本は年収が低くとも皆で幸せに暮らせる国を作りそれを世界に先駆けて発信していくしかないのでは」と。


ある意味老成したヨーロッパの様な国なるしかないのかと・・。
スイスの様な観光立国を目指すのか?


バブルを経験した世代としてはどうも悲しいものがあります。


まあ、兎に角、確かに総論そう言うことになるのは避けられないのだと改めて感じました。そこで「投資」という観点から私が感じたのは、


「国内株式(特に製造業)への投資は総論難しい。」


「資源株、特に総合商社等への投資はまだ国内株の中では比較的可能性がある。」


さて自分はどうするか・・・・・と。
(製造業の株式はもっていませんが、他業種の株を未だにもっていますので)


ちなみに、水野先生は「ドルの代替資産として豪ドルと金」をおしゃっていましたが・・。
豪ドルの1年定期で現在約3.2%〜3.5%程度の金利ですので、今後の(豪ドル高を期待して)長期的にもつには良いのかもしれませんが。


ということで国内の金融資産は益々海外へ出ていくのだろうなと。
また、デフレが今後も続くということは、益々相対的に現金の価値が上がる訳ですから、じたばたせずに何も投資せずに「現金」のまま保有するというのこが一番の得策ということも言えるでしょう。
(何とも寂しい限りの保守的な投資スタンスですが・・)


そしてこういった状況を踏まえて一部がキャッシュ・フロー重視の国内の不動産投資市場にも流れてきているのだろうと。


しかし、賃金の上昇どころか下落基調が続き益々デフレが続く前提では、当然ながら国内のビルもマンションの賃料も総論下落基調になる訳です。


総論下落していく中でできるだけ下がらない所に投資していかねばなりません。


となりますとやはり更に国内不動産に投資するにしてもより立地の選別、物件のピンポイントの選別は大事になる訳です。


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