新東京邂逅記 by 長谷川高

厳しい時代を生き抜く為の資産防衛と不動産戦略

誰のためのリートか?森トラスト総合リートの少数株主に対する背信行為

先般4月13日付けで森トラスト総合リート法人が、コンラッドホテル等が入居する東京汐留ビルディングを1100億円で、実質このリートを支配する森トラストから購入すると8日付けで発表しました。
http://www.mt-reit.jp/ja_cms/press.html

併せて赤坂のビルを森トラストへ売却し、差額の約880億円を新たに借り入れると。
この内容は同社の上記プレスリリースに詳細が伝えられています。

その内容は、老朽化したビルを売却して、築年数の新しいビルを取得したということ以外結局は発表されていません。

この物件の入れ替えの根本的な問題は

  1. 新たに借り入れ880億円を起こす故にLTV、負債比率が約43%から62%へ跳ね上がることです。
  2. 更に全くプレスリリースでは触れられていないのですが、元来このリート所有の全物件のネット(純)利回りは平均約5.9%であったのに、この汐留ビルをNOI=ネット利回り約4.5%とこれまでの平均を大きく下回る利回りで購入した点です。またこのビルだけで全体のポートフォリオの投資比率の約39%も占めることになります。これでは、当然ながら平均のNOIは相当低下します。

つまり上記1)を他のリート並みに負債比率50%以下に抑えようとするならば今後増資を行う必要があるでしょう。その場合、株数は増え、一株当たりの配当金は希薄化します。


また上記2)により当然ながら平均NOIは大きく下落します。この不動産が下落している時期に平均NOIを高める物件を取得しないで全体のNOIを大きく押し下げるこのビルを取得したのでしょうか?


答えは、森トラストがこの大規模なビルをリートに押し付けて自らは早く(過大な借入から)身軽に成りたかったのだと思われます。
このリートの運営会社の大株主は森トラストで約65%の株を保有しています。
完全に支配しているのです。

プレスリリースにもこの時期、配当を増やすオペレーションを行わずに、配当を下げる可能性が高い入れ替えを敢えて行う理由は全く説明されていません。
正直申し上げて少数株主を無視した親会社の都合によるオペレーションだと思います。
どんな理由があるにせよ配当金が減る可能性があることを(この高利回りの不動産の取得に適した時期に)敢えてその逆のことも行う入れ替えがあるでしょうか?

少数株主にとって最重要課題は、やはり一にも二にも配当金額の維持ではないでしょうか?
配当金が減る可能性が高い取引を行うには、何らかの経営を揺るがすような問題や何かもっと「仕方がない」と一般株主が納得できるような特別な理由がなくてはいけません。

私がこのリートの株主であるならば、今の内の全株売りますね。

または、このオペレーションを徹底的に株主総会で問いたいですね。
「誰の為のリートなのか?」と。
森トラスト総合リートは、親会社森トラスト森トラストの為(お荷物物件の転売先、利益確定先)のリートではないのだと。

結局、森トラストにとっては、
リートの一般株主<自社の880億円の債務圧縮
ということなのでしょう。



発表された資料ではマスターリース契約をしてるとか・・・この汐留ビルの立地が良いとか・・・まあ色々な言い訳が書かれていますが、本質的に最も重要な上記の2点については全く納得のいく説明されていません。
少数株主を馬鹿にした発表内容だと思います。

こういうことをするから、「リートは親会社のゴミ箱」だと言われるのです。
リート市場全体が信用を無くすような裏切り行為だと思います。

株価はこの1週間徐々にですが下がっています。

***

PS.
昨日のブログを読んで頂いた方から
お勧めのラジオ番組を幾つか教えて頂きました。
京都の足立さん他皆さまありがとうございました。


***************

■不動産・投資のご相談、調査、講演等のご依頼

●購入予定マンション・戸建・土地の調査
●投資用アパート・マンションの調査
●不動産なんでもメール相談(48時間以内に回答)
●不動産投資相談・不動産投資顧問業務
●法人向け不動産コンサル業指導・顧問業務
●土地活用相談・診断
●底地・借地・不正整形地・売却困難物件の整理・売却

実需から投資まで 不動産投資顧問、調査、コンサルティング 株式会社長谷川不動産経済社

***************

賢明な不動産投資家に贈ります。
金融機関や証券会社の方が読んでいる真っ当な投資本!
「投資とお金と人生の読本」
新刊「お金を生み出す家を買いたい!」(WAVE出版)

→アマゾン

***

何と!17刷り決定!!5万部突破 不動産購入の知恵の書」
(「家」シリーズは累計10万部突破です。ありがとうございます。)
「家を買いたくなったら」長谷川高著 (WAVE出版)

アマゾンへ
***************
『不動産投資情報のメルマガ』

●相互リンクしませんか?●