Japan Far East Real Estate

Hasegawa Real Estate and Economy, Inc.

ラサール・インベストメント・マネージメントの投資戦略


昨夜、コスモスイニシアのグループ会社、コスモスモア主催のOB関係者向け事業説明会及びコスモスイニシアOB懇親会がございました。
1部で事業説明会、2部ではOBの懇親会と盛り沢山の内容でした。
約100名のコスモスOB、かつ現役の不動産プレーヤーが集まりました。

第1部で、OBの中から今一番元気なラサール・インベストメント・マネージメントの中嶋康雄代表取締役(CEO)の講演がありました。

同氏は、コスモスイニシア卒業?後コロンビア大学大学院で不動産学を学び、その学生時代にNYで保育園専門に(公的助成金を使い)開発するフィーデベロッパーを学友と創業し、NPOの為に多くの保育園を企画開発してきたそうです。
(実にユニークですよね)
その後、ラサールの日本法人に入社されました。

ラサールは、運用資金の約60%が世界の年金基金から委託されたものであり、これを含めたいわゆる機関投資家からの委託分が80%を占めるという正に世界のプロの中のプロの不動産運用(投資)会社です。


昨日、お聞きした話は、一般の不動産投資家の皆様にも参考になるお話が多かったと感じたので、備忘録的に掲載させて頂きます。


1)現在のグローバルに投資を行う欧米の年金基金等の機関投資家の直近の動きは

イ)国内、域内のマーケットへの回帰
ロ)コア・マーケット、成熟したマーケットへの回帰
ハ)(これまでの)運用者の更迭、再評価が行われている

すなわち、コア・マーケットへの投資とは、キャピタルゲインを狙う(例えば、新興国への投資)ではなく、インカムゲインを狙う投資のことであり、すなわち成熟したマーケットでの運用に回帰してきていると。
成熟したマーケットとはどこか?

  1. USA
  2. 日本
  3. イギリス
  4. ドイツ
  5. フランス

ということになる訳だそうです。
ここで中国は?ということになるのですが、やはりこの国は、共産主義の国ですのでルールが何時変わるか分からない点や登記制度等が未整備である点から、コア・マーケットへの投資には適さないというのが世界の機関投資家の常識のようです。



2)また、これまでのキャピタルゲインを狙った投資は(その運用者を含め)一度ゼロ・リセットされるだろうとも語っていました。
同氏の言葉を正確に伝えると
「不動産と資本の関係が一度ゼロ・リセットされるだろう」ということでした。
分かり易く私なりに解釈すれば、短期的にキャピタルゲイン狙う投資は結果的に多大な損失を被るケースが金融危機後多発し、じっくり長期にインカムゲインを目的とする投資に大きく変化してきたと。
それには、上記の国々のように成熟した国への投資がやはり確実であると。
また、これまでの運用会社の更迭というか変更も世界的に起こっていて、ラサールへの運用者変更とう事例が実際に起きているそうです。

ちなみに彼らが何を指標にして投資するかと言えば

  1. 世界及びその国の経済状況、ファンダメンタル
  2. 物件が投資適格であるかどうか
  3. 世界及びその国の金融情勢

だそうです。
当り前と言えば当り前であり、この辺は、個人投資家の方と基本は同じですね。
しかし、それを機関投資家向けに、多くの専門家を置き、グローバルに精度高く、長期に渡っておこなってきたことがラサールの強さだそうです。


3)しかしながら、外国の機関投資家からは、少子高齢化、人口減、輸出産業の空洞化と経済の疲弊、政治の混迷が続く日本への投資に関しては、やはり

「Why Japan?」(何故日本に投資する必要があるのか?)

という言葉は常に出るそうです。


そこで同氏は、
「確かに長期的なマクロな視点に立てばおっしゃる通りであるが、やはり世界第3位の経済大国であり、先の3位以下のイギリス、ドイツ、フランスに比べても人口もまだまだ遥かに多く、世界的な優良企業があまたあるのだ!中国にはない安定感、成熟度があるのだ!アジアに投資するなら日本を外すことはできない」と力説しているのだそうです。


その結果、ラサールの日本法人だけで既に組成している不動産関連の投資額は
実物不動産で  約4400億円
証券化したもので約4100億円
合計8500億円にものぼるそうです。これはラサール中でもアジア全体の投資額の約60%を占めるダントツな結果なのだと。



4)よって今現在も年間で約1500億円(しかもエクイティーで)、日本で投資していくと。

しかし、勿論ラサールさんもどこでも何でも投資している訳ではありません(笑)

当然ながら、良い物件を厳選し、かつ本来の価値を価格が下回ったものに投資しているのです。

「他のプレイヤーが少なくなった今、そして他社にファインナンスが付かない今、そして不動産の長期的価値より価格が大きく下回っている今、つまり2010年から2011年が我々に取ってビックチャンスである!」とおっしゃっていました。


***

PS.

昨夜だけでも、同窓の現役プレイヤーが100名集まりました。
会の最後にイニシアグループの高木社長が「実は創業35年、OBOGは延べ3,000人いらっしゃる」と言っていました。
未だに業界に籍を置く身としまして、この100人という数字だけでも頼もしいと感じたのですが(笑)。

懐かしいお顔を沢山拝見できた楽しい夜でした。

諸先輩方、また、顔を出しに行きます。

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