昨今、収益物件の売買が非常に盛んです。
プロのデベロッパーや投資ファンドから個人投資家まで、「なかなか良い物件が買えない」という声を至る所で聞きます。
「10億円で買付を入れたら、翌日にはそれにかぶせるように11億円で買付を入れられたので、11億5,000万円で買付を入れたら・・・今度は・・・」といった様相です。
正に加熱気味になってきました。
ところで、不動産という資産は、それが不動産故に(自ら変化、成長しない故に)「老朽化」、「デザインの陳腐化」、「立地の劣化(時代と共に変化する)」ということが10年単位で考えますと常に起こっています。
*あの赤坂プリンスホテルも現代の「需要」に合わなくなった故に建て替え中です。(現在上から解体中)
建物の老朽化やデザインの陳腐化は容易に理解できると思いますが、「良いと思われる立地、エリア」が時代と共に徐々に変化していっているのは意外と気が付かないものです。
例えば、自分の会社のオフォスをどこにかまえたいか?という質問に、50代以上の方は、八重洲、大手町、丸の内、虎ノ門、日本橋、新橋といったところが間違い無く入ってくると思います。
ところが同じ質問を30代以下の方に聞くと、「賃料が安くて便利な所でればどこでも」といった回答が返ってきます。
彼らの世代にとっては、例えば「秋葉原」や「神保町」、「神田」なども、「賃料もエコノミカルで交通の便も良く最良な候補地です」ということになります。
「敢えて高い賃料を出して一等地(と言われているエリア)に会社を置く必要がないのでは?」ということです。
こういった考えをもった世代が、経営者や総務部長や課長となり、オフォス移転先の決定権者となってきています。
オフィスでも住宅においても正にメインの顧客層に世代交代が起こっており、不動産におおける「流行」、「意識」、「嗜好」の変化が激しくなってきていると感じます。
10年前までオフィス立地だったエリアが今ではマンション適地になっているという事例も実に多く存在します。
(結果として周辺のビルは空室率が高いが、賃貸マンションは高い稼働率を維持しているといったことになります)
10年前まで「一等地である故に空室の問題もない」と思っていた物件も安泰ではないのです。
それ故、稼働率が落ちてきた資産を保有している場合、その原因を根本的に探る必要があります。
根本的な問題として、立地自体に問題がある、または建物と立地のミスマッチが根本的な原因であれば、資産の組み替えも考慮に入れるべきでしょう。
少なくとも今年は、不動産を売るには良い年になると思います。
アベノミクスが何時まで続くか分かりませんが、稼働の落ちた資産を売却して、次回、不動産市況が下がった時に再投資するという選択が一番懸命であるように感じます。
この繰り返しが長期に渡り資産を目減りさせない方法だと思います。
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