Japan Far East Real Estate

Hasegawa Real Estate and Economy, Inc.

新興国不動産投資のリスクと注意点


昨今、「マレーシアの不動産投資についてどう思うか?」といった質問を筆頭に「タイ」、「ミャンマー」、「ラオス」、「カンボジア」、「ベトナム」、「香港」、「シンガポール」等々のアジア新興国への不動産投資についてマスコミの方、友人、取引先よりよく意見を聞かれます。


そこで私なりのおおまかな新興国の不動産投資に対する「リスク」と「注意点」について述べてみたいと思います。

  • 所謂カントリーリスク

将来において(共産圏を筆頭に)外資(=外国人=我々のこと)の不動産投資に関する法規制や税制が大きく変わる可能性が常にあるということはリスクとして承知すべきでしょう。
そもそも外国人が土地を買えない(タイ、*マンション可)とか、土地は基本国有地なので借地しか買えない(中国)といった規制だけでなく、こういった外国人に対する規制や条件が指導者や政権が変わることにとより、大きく常に変わるリスクを覚悟しておくべきです。

  • 税制上のリスク

新興国への投資は、インカムゲイン狙いではなく、おそらく将来の大きな値上がりを期待して投資する方が多いと思います。
あたかも日本の昭和20年代、30年代に土地を買えば、数十年後には数十倍になったという日本における事例を再現しようということなのかと。
この場合、保有税、つまり固定資産等をしっかり考慮しておくべきでしょう。
その他不動産を保有する為に掛かるコスト、管理費等々の維持費を確認すべきでしょう。
また、当然ながら、将来の不動産売却時の譲渡益課税なども事前に調べておくことが必要です。

  • 登記制度の問題

実は日本の不動産登記制度は世界一堅固なものなのです。
新興国の中には、勝手に登記を書き換えられてしまうような事件があるようです。日本と同じ様に「一度自分の名前で登記しておけば未来永劫所有権を守ることができる」のかどうか、これは各国の登記制度とその堅固さを事前に詳しく調べておくべきでしょう。


  • 海外送金のリスク

仮に将来不動産が値上がりした場合、その不動産を売った代金を複雑な手続きや許可等無く自由に日本へ送金できるのか?これも当然ながら確認しておきましょう。

不動産は本来それが日本のものであっても「流動性が低い」の特徴です。
すぐに現金化したくとも3ヶ月から6ヶ月はかかるのが一般的です。
さてこれが新興国の不動産なら尚更流動性は低いと思った方が良いでしょう。そもそも不動産流通マーケットがまだ存在しない、発展途上である訳です。売ろうと思ってもなかなか売れないという事態は充分に想定しておくべきでしょう。

当たり前のことですが日本の宅建業法は外国では適用されません。
宅建業法とは、実は「消費者保護の観点」が実に強い法律なのです。
例えば、宅建業法では他人物売買を禁止しています。宅建業者がまだ契約していない不動産を他人に売ることはできません。
当たり前のことのようですが、外国では自分名義のものでない不動産を「近々自分のものになるから」といって売っている方が多いようです。
その他、日本では青田売り(未完成物件の売買)でも開発許認可がおりていないと販売できませんが、海外では更地の土地の状態で、かつ許認可がおりていない建築計画だけで販売・契約することも可能です。
これらの点はけっこう重要な注意点です。

  • 根本的に立地の良し悪しの分からない所へ投資するリスク

新興国において、投資するなら一等地にすべきでしょう。しかし、「一等地は既に値上がりが厳しいのでその周辺に」といったケースが多いようです。
その立地が将来「港区」のようになればよいのですが、将来の発展はなかなか予想するのは難しいものです。
投資した土地が鉄道も開通せず10年後も「原野」という場合もあり得る話しです。

昭和40年代の「日本列島改造」の時代、日本でも同様の「原野」商法が横行し、多くの被害者が出ました。未だに関東近郊から北海道まで二束三文の土地を多くの方が所有したまま放置している状態が続いています。
(私も1件、父から受け継いだ「将来必ず値上がりするはずだった」茨城県の原野をもっています。トホホ・・・)
カリフォルニア州程の面積に1億3000万人が密集して住んでいてもこういった事態は容易に起こるのです。

  • 何故華僑や、地元不動産会社、総合商社が買い占めないないのか?

仮に高い確率で(低いリスクで)10年で10倍に値上がりする不動産が存在するとしたならば、何故わざわざ日本人に売る必要があるのでしょうか?

地元の業者が自分で銀行から融資を引いて自分で買い占めて保有しておけば良い訳です。
また、アジア新興国の経済を実質支配しているのは華僑の方々です。
この商売人として百戦錬磨の地元の華僑が「そんなに美味しい不動産」があれば間違い無く事前に買い占めるでしょう。

そして万が一地元の彼らが買わなくとも、次に日本の総合商社が買うと私は思います。
ということはどういうことか?
「彼らが見向きもしない不動産ではないのか?」
「それは場所が悪いか、既に投資するには明らかに割高だからではないのか?」
といった理由が考えられます。


上記にリスクと注意点をよくよく調査しかつ自問自答してジャッジされてはいかがかと思います。


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