新東京邂逅記 by 長谷川高

厳しい時代を生き抜く為の資産防衛と不動産戦略

資産家の向け年内税金対策と注意点


早いもので今年もあと一月強となりました。
さて、今年から来年にかけて大きく税制が変わっていきます。
それ故、私もここに来て、弊社のお客様に代わって顧問税理士の先生に色々と確認する機会が増えました。


今回は、特に資産家の方向けに、その税制改正を踏まえて、今年中のやっておくべき対策及びその注意点等を簡潔にお伝えしようと思います。


■上場株式の売却と贈与


この1年、アベノミクス効果により株価が上昇したことにより上場株式を保有されている方の資産が増加しました。
またその株式を売却した資金で相続対策、インフレ対策として不動産を購入された方が実に多い年でした。
これはもう、改めて言及するまでもないことかもしれませんが、来年より(上場)株式の譲渡益課税が現行の10%から20%になりますので、やはり常識的には今年中に売却した方が良いと言えます。
昨今の新聞でも上場企業の創業オーナーが持ち株を売る動きが活発になってきました。新聞紙上では「より一層の流動化確保の為」とありますが、実情はこの優遇税制廃止前に売っておこうということだと思います。


オーナー、又は創業家として保有株比率を減らしたくないのであれば、一旦資産管理法人等に売却するという方法もあります。


最も、子供やお孫さんへ「贈与」をするのであれば、(贈与税を鑑み)現在のような株高の時ではなく、来春以降の米国によるこれまで金融緩和(QE3)を縮小する過程での株価下落時が適切です。
(本当に下落するかどうかはonly God knowsですが)
現在は「(縮小の)延期・延期・・・」できていますが、この状態が何時迄も続く訳ではありません。
よって、来たる?下落時に(現在よりも株価が大幅に下がった時に)贈与するのがお得です。

もし仮に大暴落するようなことがありましたらその時こそが贈与のビックチャンスとなります。



相続税支払の為の不動産売却について


土地を相続してから3年10ヶ月以内に、その土地を売却すれば、相続税額以内の「売却益」であれば、その売却益は非課税になるということはご存じの方も多いかと思います。


例えば、ある土地を相続してその相続税額が仮に2億円と仮定しましょう。
その土地を5億円売却しとして、30年前に買った時の取得費が仮に3億円としますと(費用・経費をここでは無視して)譲渡益はおおよそ2億円です。この2億円がまるまる非課税になるというものです。


現状では「相続した土地が複数あり、その一部を売って一部を残した場合でも実際には売却しなかった土地の分の相続税も全て合算して非課税の枠がある」のですが、来年からは、実際に売却した土地の相続税分のみが非課税対象の範囲になるというものです。


少し複雑ですね。例えば、相続した土地が2件あるとします。それぞれが1億円の相続税額とし、合計で2億円になるとしましょう。
これを上記の通り相続が発生してから3年10ヶ月以内に、片方の土地だけ売却し、その売却益だけで2億円あったとしても、(来年以降は)実際売却した土地の相続税1億円分のみしか非課税対象とされなくなる可能性が高いのです。


まだ実際に何時から(より厳しい)税制改正となるか告知されておりませんが、来年からということになる可能性が高いようです。
それ故、これに該当される方は今年中の売却が理想的です。


「そうは言っても後1ヶ月しかないではないか」という方は、やはり不動産管理法人等を作りその会社に年内に売却するといった方法もあります。



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株式会社長谷川不動産経済社

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はじめての不動産投資

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*尚、本書は2009年に出した「お金を生み出す家を買いたい」を加筆、改稿したものです。特に税務関連を大幅に加筆しました。節税の為の法人利用の方法、メリット、デメリットをできるだけ詳しく解説しております。