新東京邂逅記 by 長谷川高

厳しい時代を生き抜く為の資産防衛と不動産戦略

街のパン屋に習うたった一人の生残り戦略


みなさんがどんなお仕事をされていようとも、みなさんの立場が会社員、個人事業主や小さな会社の経営者、いずれであったとしても、こんなことを思ったことはありませんか。

「仕事がうまくいったりいかなかったり、この先どうなるのだろうか。安定させることはできないものか」と。

会社員の方は、たとえ営業職で一年間契約がとれなかったとしても最低限の給料が支払われるでしょうが、私を含め、自分でビジネスをしている場合、このような状態になってしまうと、ビジネス自体や生活が破綻してしまうリスクに晒されてしまいます。
 

おそらくどんな方にも、一生懸命に仕事に精を出しても6ヶ月や1年以上に渡り「どうしても仕事がうまくいかない」、「成績があがらない」という経験があるのではないでしょうか。
私が思うには、そもそも好調な時期が何年にも渡り長期に持続するということなど、本来あり得ないことだと思っています。


そもそも、事業やビジネスなどというものは、よかったり悪かったりの繰り返しです。
良い時期が一年続けば、悪い時期が同じように一年続くということは、常に起こりえることです。
もちろんこれは、普段の努力を怠らないという前提であっても同じです。
 

さて、しかしです。このバイオリズムで大きく仕事やビジネスの状況が変わってしまうということをどうにか防ぐことはできないでしょうか。
私は「これがどうにか可能である」との確信を得ています。


どうすればよいのかというと、仮に一人でビジネスをやっていたとしても、自分の能力や運だけでビジネスを進めないことです。


もう少しわかり易く表現するならば、自分一人だけでビジネスをしている方でも、他者の運を用いらせて頂き、あたかも社員を数名持つようにポートフォリオを組んでいくのです。


仮に一つの企業として、社員が複数名いて、その中の数名が全く成績をあげられなくても、残りの者が成績をあげることで、会社として維持していけるだけの状況を作り上げています。
これと同じ様に個人が一人でいながらにして複数のポートフォリオを組むことは、特段難しいことではありません。
どうしたらいいか。


これから具体的にお話します。

例えば、自分の所にきた(依頼された)仕事を、常に自分や自分の社内だけで完結させずに、自分の信頼できる他者に声をかけ、共同で仕事をするように努めるのです。できるだけ、仕事の多くを外部の仲間と分かち合うという考え方が、自らの事業の持続性を担保する為に非常に重要です。


このことを続けていくと、自分がスランプに陥り、努力しても仕事がこない、成績があがらないといったときにも、かつてビジネスを分かち合って、利益という果実を共に味わった「仲間」から、必ず声がかかるものです。
それは、そらくお釈迦様の手の同じ様に感じると思います。
有り難いことです。奇跡のような出来事に感じる方もいるでしょう。


ここでこのことを、極めてシンプルに実践している「パン屋さん」の話しを紹介します。
私が時々行く、商店街のパン屋はカフェスタイルになっていてそこでモーニングセットやランチを食べることができます。
何回か通う内に店員さんと色々な話しをするようになりました。
その中で私が非常に感心したことがありました。以下その時の会話です。
「このコロッケパンのコロッケも朝早起きしてパンと一緒に作っているの?」
「いやコロッケやカツは近くのお肉屋さんから買っています。」
「この美味しいポテトサラダは?」
「別の総菜屋さんです。この焼きそばパンの焼きそばも別のお惣菜屋さんです」
これを聞いて、私は成る程と感じ入りました。
近くの(自らも属している)商店街で自分の店で作り得ないものを仕入れているだけなのですが「これは、自分が実践していることと基本は同ではないか!」と。


ビジネスの世界では「ある年は非常に順調に進み、売上げ利益とも極めて良好な結果に終わったとしても、翌年のことはなんら担保されていない」ということが大きなリスクであり怖さなのです。


特に創業間もないベンチャー企業が5年10年を越えて存続する確率が全体の数パーセント以下といった結果になってしまうことからもわかると思います。


私はこれまで、有能と言われた経営者が何年にも渡り好調を維持し、その後急に表舞台から去ってしまうといったケースも何度となくみてきました。


その理由をひも解くと、実に小さなきっかけや経営判断のミスによることも多いのですが、不可抗力も含め、我々人間の力の及ばないものによって、ビジネスも人生も大きく左右されてしまうのが現実なのです。


このビジネスのボラティリティー(振幅)にどう対処するのか、先のパン屋の例に私は答えがあると思います。


もう一点、この「分かち合う」ということにおいて、私が気をつけていることがあります。それは、共同でビジネスを行う場合、その利益である果実の配分方法です。 
私は、自分から声をかけた時でも、自分の取り分は最大でも50%までで、できれば相手に60%を取って頂くことを念頭においています。


きれいごとではなく、少なくともそうしようと努めています。つまりビジネスを分かち合ったとしても、相手側に十分な達成感や満足感がなければ意味がないのです。

私が過去20年に渡る経済不況下において、創業から19年ビジネスを維持できた要諦は、この自分以外の優秀な方の力と運に助けられたことです。


自分だけの能力と運だけでは、到底今の安定した状態に達することができなかったと確信しています。

私は社会人としてスタートして依頼、常に「現実は厳しいな〜」と思って参りました。
そうなのです。夢や構想は楽しく美しいのです。しかし、やはり社会の現実は厳しいです。
お金を得て食べていくことは容易いことではないです。
それも何ら後ろ楯のない状態で持続していくことは尚更なのです。


ポートフォリオを組むという言葉は、本来、投資行為においてよく使われる言葉ですが、意訳すれば分散投資をするということです。


これを、投資だけではなく、知らず知らずにビジネスに用いていたことにある時気づきました。


皆さんも、ビジネスや人生を歩んでいくにあたり、自分の能力や運だけでこの厳しい時代を生き抜いていくことは心許ないと感じていませんか。現実的ではないとかんじませんか?
 

私が強調したいのは、皆さんにとってこれはと思うような果実を得られるビジネスが到来した時に、まずは自分の信頼する「仲間」とそのプロセスと果実をシェアしていくという考えをお勧めしたいと思います。


更に一点つけくわえるならば、この、シェアする仲間や協力者をつくるには、当然ながらそれ相応の基準を設けるべきであり、誰でも良いというわけではありません。できれば、自分よりもある面、または全ての面において優れていると思われる方とタッグを組んでいくことも重要なことです。


長谷川不動産経済社