新東京邂逅記 by 長谷川高

厳しい時代を生き抜く為の資産防衛と不動産戦略

あの巨大高級タワーマンションをいったい誰が買っているのか?


東京都心及び湾岸部の高級タワーマンションの売れ行きは絶好調のようです。
総戸数は数100戸から1,000戸を超える巨大物件、価格帯は安いものでも1億円前後、上は2億、3億円、それ以上といった価格帯のものまで全て売れているようです。


こういった現状を売主であるデベロッパーさんと話していると「次から次へと出て来る高額タワーマンションが売れ続けているということは、日本のお金持ちというのは意外に多いんですね〜」
「そのようですね〜」
という会話に何時もなります。


個人的にはそれにしてもよく売れているという感じが致します。


ここで私の言う「売れている」という意味は「完売している」という意味です。


元々私もデベロッパーに勤務していたことがありまして、総戸数が100戸だろうが60戸だろうが、どの物件も実は最後の10%、20%を売り切るのに営業の担当者が常に苦労しているのを見てきました。


また、デベロッパーのマンション事業の粗利はおおよそ10%から20%程度ですからこの最後の1割、2割を売らないとそもそも利益が出ないのです。それ故、現場ではこの最後の10%、20%をどう売りさばくか・・・という点に毎回苦心します。


それが数100戸、1,000戸を超える超大型物件が見事に完売しているのは、相当凄いことなのです。それほどまでに極地的に景気が良いのかと。


先日、実は知合いの大手司法書士事務所の経営者と会食する機会がありました。
この方はつい最近、1,000戸を優に超える大型タワーマンンションの決済=引き渡し=所有権移転登記に立ち会ったそうです。


私は率直の聞いてみました。
「どんな方が買っているのですか?」
「約3割は華僑の方ですね。それも台湾系が多いと思いです」と。


所有権移転登記をする時に外国人の方は弁護士が必ず立ち会いに来るそうです。
更に名前が漢字だと中国系、又は韓国系だと分かります。
更にはローンの借り先、つまり抵当権者として金融機関名を登記しますので、その銀行名でおおよその国籍が分かるようです。


先に申し上げた様にマンション事業は最後の10%から20%が利益でありそこを売り切るのが大変な苦労な訳です。仮に1,000戸のマンションでは100戸から200戸となります。
しかし、全体の30%(この場合300戸!)を外国人の方が買って頂けるということは、デベロッパーにとっては「神風」とまでは言いませんが相当な追い風、それも突風に近い追い風だと言えます。


その他、勿論、郊外の家を売って都心のタワーマンションに引っ越すシルバー世代の方も15%程度はいらっしゃるようです。これも最近多くみられる傾向です。


また最近流行の相続税対策として節税目的で買う方もいらっしゃいます。
また、アベノミスで株価が上がり上手く株を売り抜けてマンションを買われた方も相当数いらっしゃることでしょう。正にアベノミスの恩恵を得た方々です。


後は勿論実需の方々による購入です。この方々はやはり超超低金利を活用して、かつ夫婦共有で(つまり共稼ぎで)買われている方が多いようです。


さて、私は、この実情を踏まえて心配なことが幾つか頭に浮かびます。


その一つは華僑の方々はキャピタルゲイン狙いの正に純投資で買われているということです。今後も東京オリンピック等で価格が上がると期待して買われています。
しかしです。仮に、その期待、思惑が外れた場合、今度彼らは一斉に異国に所有するマンションを売りに出す可能性があります。あたかも価格が下がってきたよくわからない外国企業の株式を売るようにです。
彼らの保有は、仮に、総戸数1,000戸のマンションであれば、約300戸となります。
この場合の300戸という実数は実に色々な意味で影響が大きいと言えます。
このような状況になった場合、マンション価格の相場全体に極めて大きな影響を及ぼすことになるかもしれません。



長谷川不動産経済社