今回、弊社のお客様でいわゆる資産家と呼ばれる方々の「行動パターン」について、これまでのお付き合いを通して感じたことを考察していきたいと存じます。
まずは彼ら彼女らは何故ゆえに資産家なのかという点に関して、弊社のお客様においてはおおよそ3つのパターンに分類できます。
- 上場企業のオーナー又はその親族の方々
- かつて会社を経営していたが、ある時期に本業は譲渡し(又は廃業し)、残った資産を管理するといった過去において不動産賃貸業に転業したケース
- 現在会社や病院等を経営しながら賃貸業を行っているケース
となります。それぞれのバックグラウンドは大きく異なるが、こういった方々には共通点が存在します。
- 普段の生活は至って質素
例えば、先方の家や事務所ではなく外で打ち合わせ、ということもあるですが、私がホテルのカフェテリア等にお誘いすると、どの方も「もったいない。スタバかどこかに行きましょう」とおっしゃる。
以前、大阪商人、京都商人、江戸商人の家訓を研究したことがあったが、どの家の家訓にも共通しているのが「質素、倹約、始末」という点でした。お付き合いを通じてこのことを思い出す機会がよくあります。
しかしながら何もかも質素かと言えば、自宅、別荘、車、趣味(旅行、収集等)におけるお金の掛け方はそれぞれだが、それはやはり庶民レベルとは若干異なるかもしれません(が、その程度もよく世間で言われている程の乖離はないと感じます。)
一方、子弟の「教育」には大きな投資をしていると感じます。
「教育」に対する費用対効果が実は一番大きいことを知っているからだと思われます。
- それぞれの専門家を抱えている
代々引き継がれている場合が多いのですが、お抱えの税理士、弁護士等顧問の先生がしっかり存在する。
不動産に関連した打ち合わせの時、やはり伺っているとどの先生も数十年のお付き合いというケースが多い。
- 金融機関もメイン銀行が存在しかつ長い付き合いをしている
資産家の方が皆さん、メインの銀行が都市銀行であるかと言えば、実はそうとも限らない。
弊社の顧問先は信用金庫や地方銀行をメインとしているケースが意外に多い。
例えば、不動産に投資するような場合、まずは長いお付き合いのメインである銀行に打診しているケースが殆どだ。
弊社にも毎週のように銀行からの融資紹介のお願いが来るが、なかなかこの関係に中に入っていくのは難しいのではないかと感じる。
金利の低さだけではなく、本当に困っている時に傘を貸してくれるのはどこの銀行か?ということをよくよく見ていると感じる。
ブラックスワンが現われた時、つまり非常時にどこが助けてくれるのかを。
- 投資行動の共通点
資産家の方の投資行動の共通点は「じっくり待てる」ということではないでしょうか。
もう十分に資産がある故、無理に投資する必要がないと言えば無いのである。
資産を分散させる為に投資するなり、資産を守る為に不動産の買い替えを行う、又は相続税対策で投資を行うといったケースが多い故か「まあ、良い案件があれば、ご紹介下さい。それより空室を埋めないと・・・何か良い案はないかな」といった感じである。
しかし、「これは投資適格だ!」と判断された時の行動はそれ相当に早いと言えるでしょう。
つまり決断すべき時の決断力はしっかりおもちになられている。
その熟慮考慮した後の素早い決断力がある故に家業が今まで続いているのだと感じます。
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