Japan Far East Real Estate

Hasegawa Real Estate and Economy, Inc.

因果応報

以前、サラリーマン時代に、港区でお寺の移転事業に
担当者として関わりました。
お寺の移転事業ですから、100基を超えるお墓も同時に
移転して頂かなければなりません。
当然ながら、移転した跡地にはビルを建てる計画で
した。
もちろん、お寺さんとしては、経営を立て直すことが
理由で前向きな経営判断として郊外に移転する訳
ですが、
(実際に、数年後、お寺さんとその檀家の方々には、
喜んで頂ける結果にはなりました。)
私は、内心恐怖に慄いていました。
「お墓の移転やその跡地にビルを建てるなんてことは、
果たして祟ったりしないだろうか?大丈夫なのか?」
という気持ちがありました。
そこで、知り合いの仏教に詳しい方を個人的に訪れ
これから自分が担当する事業が宗教的に許されるのか
といったことをを聞きにいったりました。
また、事業に着手する前に後輩の田宮功三君にお線香
袋一杯の買って来てもらい、お墓、一基一基全部に
お線香上げて二人で祈りました。
小さなお寺が、お盆でもないのに、火事のような煙に
包まれました。
住職がビックリして出て来られましたので、理由を
説明すると、ニコリと笑って、無言で庫裏に戻って
いきました。
お墓一基一基を前に、
「これは、弊社に取っては事業ですが、お寺にさんに
取ってもやむを得ない移転なのです。皆さんどうか
お許し下さい・・・・」と。
その後、幸いにも、我々歴代の担当者は、特に災いは
振りかかることもありませんでした。
しかし、このプロジェクトは、土地代だけで100億円を
超えるものでしたので、バブル崩壊と共に、会社は
相当なダメージを受けました。
(そして、私はD級戦犯になりました。)

*今は上記の通り立派なビルが建っています。
それから数年後、私の父親の墓が、都市計画道路
事業決定で、移転することになりました。
また、実家の周りは区画整理に入り、これまた
移転又は土地の削減ということになりました。
そうこうしている内に、私の父親が勤めていた、
東京都西東京市IHIの研究施設と工場が売却されること
になり、それの一部をなんと古巣のコスモスイニシア
買うというニュースが入ってきました。
ああ、「やはり因果応報なのか・・・・」と、感慨深い
ものがありました。
なんとも不思議な気持ちになりました。
長谷川高(デジタル不動産コンサルタントLTD.)