Japan Far East Real Estate

Hasegawa Real Estate and Economy, Inc.

アジア弾丸紀行 by 長谷部裕樹(シンガポール編)


はじめに
私が公私共にお世話になっている長谷部裕樹氏によるアジア弾丸紀行です。
長谷部氏は東北大学卒業後、リクルートリクルートコスモスを経て現在は外国人・留学生に特化した人材紹介会社「オリジネーター」代表です。
大学時代は柔道部で活躍。小川直也、全日の武藤敬司とも対戦し引き分けた方です。
ダイナミックに成長するアジア諸国の最新(不動産)事情を!いざ!(長谷川)


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8月5日 Kl曇 → シンガポール雨 → ジョホールバル


まず、昨日も書いたがマレー鉄道の事。KL−>ジョホールバルは、距離にして東京・大阪間。頻繁に電車走っていると思ったが、一日3便。時に複線拡幅工事により前触れなく運休の可能性ありというHPを見たので、マレー鉄道8時間の旅をあきらめ飛行機にしたのでありました。日本のようなイントラ網ができるにはまだ時間がかかると思いますが、そのスピードはもしかしたら想像以上に早いかもしれません。
さて、6時に起床しプールを済ませ、タクシーでKLIAへ。

KLの空港は、中心部から一時間:ちょうど成田空港の感覚に近いが、
高速で30分走った新興の開発地にも中国ほどではないが、高層マンションが目立つ。誰が買うのだろうか?

そういえば、日本もバブル期は、佐倉のユーカリガ丘で高層マンション分譲してたなとか、仙台の山奥で高層マンション建てて、いっつも霧で全然景色が見えないなんていう、クレームのマンションがあったな。とか、そんなこと思い出しながら空港に向かう。

また、非常に日本通の運転手で、会話が弾む。日本のタクシー運転手とひとくくりにしたくはない(先日ガイヤの夜明けで長野のタクシー会社が特集されていたけど)が、比較すると、アジア圏(NYはまた最悪)のドライバーはサービス精神に溢れていると感じる。


よく景気動向はドライバーに聞けというが、私も御多分に漏れず、どの国でも必ず景気の事を尋ねる。
KLのドライバーは、全員が良いとこたえてくれた。

彼は、日本の事が知りたかったようで、
1. 物価(何でも非常に高いと思っている)
2. 季節(四季。特に寒い冬:雪が見たいそうだ)
3. 不動産・家の価格と広さ
4. フットボール好きで香川のファンだというので、サッカーの事
これらを丁寧に教えると、非常に喜んでいた。
東京では、一般的な家族4人が、70?のマンションに住んでいる。といったら驚いていた。

小一時間で、KLIAに到着。
支払の際に、ワンボックスタイプのリムジンでKl中心から、150リンギット:5000円。因みに日本では、東京―成田は25000円くらいと答え、非常に高いと驚いたが、日本では電車・バス網が発達し、都心までは、3000円:90リンギット。と回答したらいたく感心されました。


無事にチックインして、50分でシンガポールチャンギー空港へ到着。
シンガポールの定宿:リッツカールトンにメインの荷物を降ろして、
ジョホールバル行のバスターミナルに向かう。
おぉぉ、懐かしい4年ぶり。青・黄色の外壁のマンションが見えたら、バスプールだ。
2.5Sドル:200円。
これが、ジョホールバルへの料金です。約20分でコーズウェイ橋(CW)のたもと:シンガポール国境へ。ここで出国の手続きをしてまた、バスに乗ってCW橋を渡るとそこは、マレーシアのイミグレーションです。
ジョホールバルといえば、日本最初のWCを岡野のゴールで決めた場所がここ。あまりなじみがない場所かもしれませんが、シンガポール・マレーシア政府が共同で、イスカンダル政策(ジョホールの北シンガポール化を打ち出して以来、シンガポール資金が流入し今、非常に熱い街になっています。


2009年:株式会社コーズウェイ(新橋の不動産会社)を設立した時に、訪れて以来、2度目の訪問です。ただ一度目は、ジョホールセントラル周辺を散策した程度でしたが(詳しくは前回の渡航記をご覧ください)。


JBセントラル駅も、4年前と見違える広がりとにぎわいを見せています。2月にシンガポール・マレーシア間の契約締結以降JBの投資が飛躍的に伸びている。そのあたりをKLと比較したいと思います。
タクシーで、今日の宿:ZONリージェンシーホテルへ。
フェリ乗り場・SC・デユーティフリーも併設した500室のホテルでした。到着後、JBのエレクトロニクス子会社を買収した日本企業にインタビュー。日本人スタッフは5人で管理、既存従業員は500名。
JBを含むマレーシアは、3次産業の伸長が著しいが、ここJBは石油・天然ガス資源が豊富で、JBセントラルから車で40分も走ると、日本だけでなく、英系石油・化学メーカーの工場が進出している。
人員も確保も容易であること。シンガポールの衛星都市という位置づけだけでなく、マレーシアの工業地域としてのエリアであることを改めて確認ができた。
JB国内線専用のセナイ空港周辺には、パームツリーのプランテーションも多いということで、第一次から二次・三次産業とバランスのとれた発展をしているのが、非常に魅力である。


打ち合わせ後、ホテルに戻りSCに連接したカールスバーグBARへ。
まずは、喉の渇きを潤すために、ジョッキで頼んだつもりが、なんとピッチャで持ってきた。

返すものなんだから、つまみも頼んで早めに夕食にすることにした。
夕食終了後、日の高いうちに泳ごうとプールへ。


プールの隣にある、怪しげな施設が気になり、内容を確認するとSPAとマッサージという。
これはいいね!!とプール終了後、お隣へ。
大好きなサウナとSPAを終え、マッサージルームへ。
この怪しげな不雰囲気の原因に気づく。
男性従業員が多く、女性従業員が奥にいるしかも薄暗い。
これって日本の○―○ランド?・・・。


考えすぎでした。サウナ大王は一時間のサウナと一時間のマッサージを受けて100リンギット:3300円で十二分に満喫し、ぐっすり睡眠できました。




8月6日 JB曇 シンガポール


7時半に起き、日課のプールを終えチックアウト。
9時半にBOS(バンクオブシンガポール)の知り合いにお願いし、JB不動産ツアーへ。

渡航前から、楽しみにしておりましたが期待以上の驚きがあり、ドバイ以来のわくわく感に溢れた時間になりました。
イスカンダル計画の事をここでくどくど書くのはやめにして、もし、このブログをごらんになられたら、独自にwikiでチェックされることをお勧めします。


まず、不動産がダイナミックに変わるには、いくら現地の三菱三井級企業が投資しても民間企業には限界があるので、イントラ投資や金融・税制などの国としての本気度が必要となります。
これらの本気度がドバイに以上に感じられたのがここJBでした。


まず、案内をいただいた、JBAのT社長。
京都出身、人材系B社を皮切りに商社ビジネス(7年)を上海で立ち上げた後、不動産ビジネスをここJBで始めました。


日本で日頃、内容がともなわない癖に自信満々のロクでもない不動産屋を多く見る機会が多いので、多少警戒してお会いしましたが、その危惧を払拭させる方でした。まず、長谷川氏のブログ読者に対しても訴えたいのは、不動産現物に関して投資する以上、責任は自己責任。ただし、その不動案:営業マンの見極めをしないと変な物件をつかまされるということです。

特に海外不動産投資。Kl不動産は、いろいろな会社が営業をかけていると思いますが、ぜひ自分の目で確認の上投資することをお勧めいたします。


前置きは、この辺でまずは中国のデベが開発する3000戸のコンドを中心としたダンガベイカプリを横目にイスカンダル地域開発庁のオフィスへ。


マレーシア政府が、バックアップしていることを象徴するようランドスケープのモデルを見学。その上で、ムサジャヤ開発地区へ。
ここは、CW橋ともう一つシンガポールをつなぐセカンドリンク橋に隣接したエリアになる。ここムシャジュヤの魅力は、JB地元政府の中心施設が移動し、将来KLとシンガポールを結ぶ高速鉄道の最寄駅になる可能性のあるということだろうか?
それらを、問題が起きなくできるように既に政府(系関係者)が土地を買占め、あとは、それらの空地にどのように命を吹き込んでいくかが中心となる。

中には、先日ロイヤルファミリーの誕生に沸いた、キャサリン妃が留学をしていた英マルボロカレッジのマレーシア校があります。このマルボロ校、すでにシンガポールから子弟が留学する学校になっており、なかなか入学することができない難関校になっています。

これらは、ドバイのように箱もの開発をしているだけでなく、開発の中に魂を入れようとするマレーシア政府の思いが込められている気がします。
周辺には、すでにレゴランドなどのアミューズメント施設もでき、建売ではなく土地分譲されているゲートシティは、開発後けんせつされないまま、何度か転がり3倍に跳ね上がっている物件(1ロット1000㎡)もあります。因みに建売物件(一戸建て200㎡)は、7000万円程度でした。


そもそも、シンガポールもJBも、海岸線を埋め立てて領土を増やし、新規開発をしているという現状があります。これらの手法は日本でも東京DLや台場を始め、新設土地開発手法の定番ではありますが、地震もなく液状化もないこの地区には最良の方法というのが開発の根底にあります。

次は、ヨットハーバーも併設した開発:インペリアハーバー開発へ。
日本でも、船を持っている人は一つ図抜けたセレブであるように、これらは万国共通。これらに隣接した開発エリアは、すでにSOLDOUTでした。
プロ(私の見立て)では?の思うところもありましたが、これらもシンガポールに比べたら1/3ですからお手頃にかんじるのでしょう。


次は、2018年にシンガポールからのメトロの延伸が予定される、JBセントラル周辺のエリア。


まずは、KL最大のSC開発の隣接地;サウスキーモザイク(旧軍用地でリースホールドエリア)。これは、すでに1棟が完売し、残り1棟。これはいまだ販売中でしたのでMRも見学。

さて、ここらでこのブログの読者の中に最近日本のMRを見ている方どのくらいいるのだろうか?私は商売柄それらの見学も、自分でリフォームの発注を行うが、これらのできばえは日本と比べても中の上である。デザインが洗練されているし、これらはセンスがあふれている。


ここ、南向き(向きというより、前面の将来不安のない)は、
1ベッド(60㎡)で、1800万円
3ベッド(110㎡)で、3300万円から
でした。


次は、今回の目玉案件;JBセントラル開発に隣接した。カプリザタワー。
3棟のうち一棟はホテル。残りがコンド。一階あたり4室の組み合わせの48階建て2棟である。

うちシンガポールヴューサイドは1ベッドと3ベッドのくみあわせ。
1ベッド:65㎡は3100万円。
3ベッド;120㎡は5100万円です。
日本と違うのは、1層当たりの価格差があまりない(価格差で50万円程度)こと、これでは上階に魅了をかんじるのもしかりか?


そして、最後に建設途中のゲートシティ(ストレイツヴューレジデンス)。ここは案内を頂いたT社長もすでに購入済み。
これらの街は、道路。共用施設(プールやフィットネスセンター)がすべて270世帯の共有持ち分になっています。シンガポールでこの手の一戸建てを取得することはできないため、すでに残り2戸となっています。

ここの一戸建て。一番大きいものは延床600㎡で、2LD7ベッドルーム。子供部屋・メイドルームを含む全室にトイレがついておりました。
これは、13,000万円でした(すでに売却済み)。


とここで、JB不動産案内は終了。
賢明な読者は、購入後の費用や賃借人の事など気になることも多いと思うが、個人投資家でもあり、不動産のプロは当然確認をしているので安心ください。


購入後管理や費用について
※固定資産税
購入価格(固定資産税評価額などはなく)の、0.2%を年2回に分けて。


※譲渡税課税
契約してから3年以内:短期25%  3年以上:長期15%


※賃貸相場
日本企業の水準
単身で、11〜13万円
家族で、17〜20万円
を中心に、日本企業を募集するということであった。


※管理組合について
マレーシアの法律(区分所有法のようなものか?)によって、竣工後3年を経つと、所有者の管理する自主管理組合を蘇生するということです。ということは、投資家だけで構成するコンドは、維持管理費のコストが支払えなくなるために、自己居住・賃貸用が増えるという好循環が生まれることになります。


ここJBの感想は確かに沸騰:バブルも感じるけど、上海・ドバイと違って、命をどうやって吹き込もうかとする、シンガポール・マレーシア政府の思いを感じることができた。


KLの投資はないかと思ったが、ここJBは真剣に投資をしてもよいかと考えされる一日であった。


さて、JBを後にして手配した車でシンガポールに戻る(入国する)。


私が世界一のサービスと感じるリッツカールトンにチェックイン。

(*リッツ、EVホールから)

軽くシャワーし、6時にフロントでヤンゴンであったS氏の親会社S社のOさん:CEOと会食です。


Oさんは、私のR社一期上。
R社内定時代:1984年から大変お世話になった先輩です。
R社時代は、戸張捷さんを中心におこなっていたゴルフ場開発事業部:エリアプランニング事業部から、信託BKに転身し、台北・香港を経て上海で日本人向けに不動産販売したのをきっかけに、今ではKL・シンガポール他ロンドン・NYの海外不動産を日本人向けに斡旋しています。
いわばこのジャンルのパイオニア
今日案内いただいたJBのT社長とも顔なじみでありました。
今更、R社のDNAをことさらに言うつもりもありませんが、お互い新しい分野:事業を開拓する同志として、10年ぶりの再会ではありましたがすぐ打ち解けることができました。


Oさんとフラトンホテルのレストラン(マリーナサンズベイの真向い)は、NYブルックリン:リバーカフェに匹敵するお洒落度200%(ここで男二人でビジネス談義)。

2件目は、オーチャードのSALT。55階のバー。
ここは、私も行きつけ:新丸にも出店するオーストラリア人シェフ;ルークマンガン氏のフレンチです。
これらをマネージする代表とOさんが知り合いということで、お引き合わせを頂きました。
人の輪は、信頼と信用によって広がるものですね。


縁も酣ではありましたが、Oさんは、今朝日本から帰国し、私も毎日の疲れもあり今日は10時半でお開き、オーチャードでタクシーを拾うことに。

ところが、Oさんがタクシーを電話で呼ぼうにもつながらず。タクシー乗り場は、火曜日というのに長蛇の列。


これって・・・・。そうバブル期日本の六本木の情景です。
Oさんは、なんかとかベントレーハイヤーを捕まえて、私にゆずっていただき、ご自分は奥様を口説き落として迎えに来ていただいたとのことでした。


こんなところにも景況の影響があるものです。


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株式会社長谷川不動産経済社

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*尚、本書は2009年に出した「お金を生み出す家を買いたい」を加筆、改稿したものです。特に税務関連を大幅に加筆しました。節税の為の法人利用の方法、メリット、デメリットをできるだけ詳しく解説しております。