Japan Far East Real Estate

Hasegawa Real Estate and Economy, Inc.

アジア弾丸紀行 by 長谷部裕樹(シンガポール編2)


はじめに
私が公私共にお世話になっている長谷部裕樹氏によるアジア弾丸紀行です。
長谷部氏は東北大学卒業後、リクルートリクルートコスモスを経て現在は外国人・留学生に特化した人材紹介会社「オリジネーター」代表です。
大学時代は柔道部で活躍。小川直也、全日の武藤敬司とも対戦し引き分けた方です。
ダイナミックに成長するアジア諸国の最新(不動産)事情を!いざ!(長谷川)


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8月7日 シンガポール 曇のち晴れ

まずは、昨日バタバタと外出して満足に景色を眺めることもできなった部屋からマリーナサンズベイをチェック。
昨日はチックインの際、良い部屋をアテンドいただいたのだが、この部屋はマリーナの反対側に当たるため、マリーナサイドに変更を依頼。結果、東南角のスイートルームに落ち着いたのだが、さすがに一人で使うには少々寂しい。




まあ、世界唯一の七☆☆☆☆☆☆☆ドバイ:ブジュアラブの一人に比べれば良いけど。
マリーナサンズベイは最初の訪問時:2004年は未だ公園。
2009年は、未だ竣工前。そして、今回は宿泊することも考え値段も確認したが、あそこに宿泊して最上階のプールからFBして「いいね」をもらうより、いつも感じる最高級のサービスを味わいたいという気持ちが勝ち、定宿のリッツに落ちついたのであった。


でも、真正面から改めて見ると、やはり異様です。
KLのKLCCといい。今回はアジア三大建築物のうち二つ(上海WTCビルはすでに制覇済み)を見る機会に恵まれました。



11時のアポイント前に、朝食後プールへ。
ここのプールで、フィットネスジムのように泳ぐのは、ただ一人。以前、1時間も泳いでいたら、その後フロントから「ジャパニーズドルフィン」というあだ名をつけていただきました。

日本語高等教育機関を含む2件のアポイントをこなし、今後の新規事業の協力と事業締結の骨子を説明。好感触をいただき、まずはこの東南アジア訪問の目的を達成。


オーチャード駅上のオフィスの賃料など、事業に直接関係ないことまでヒアリングできました。旧市街の中心地:オーチャードの坪賃料は20,000円/坪(実際にはスクエアフィートですが読者にわかりやすいように坪計算しております)でした。
日本でいうと新宿っていうところでしょうか?


まだ、日も高いが買い物を済ますと5時。ホテルに戻り、またプール・ジムで汗をかき、プールサイドで一眠りしたら。日も暮れてきました。


今日は、ゆっくり休息に充てることにし、ホテルのクラブハウスで軽い夕食に、ニュージーランドのクラウディベイ:ソーヴィニオンブランをいただいています。PCではG戦チェック中。長野のHRをでて勝利を苦心したところで、部屋に戻ることに。
明日は、BOSのEさんの案内でシンガポールの未開地探検です。


その結果は、また明日の報告で。



8月8日 シンガポール


この旅に出て、いつも2時就寝・7時半の起き(日本との時差があるので8時前後ですけど)である。なかでも、このリッツのキングサイズベッドの寝心地は最高である。よって寝覚めも良い。


朝食と日課のプール。
そして、待ち合わせまで時間があったので、マリーナサンズベイまで散歩。今日は、最高気温30度の予想。赤道直下。ここシンガポールはほぼ天災の無い街である。
BOSのE氏をロビーでお待ちし、ホテルのリムジンでシティホール駅へ。


さて、シンガポール探訪の始まりである。
E氏も、BOS入社後1年であるが、西のはずれや北のはずれは、行っていないところということで、いやがおうにも期待が高まる。


ちなみにこの公営地下鉄。国の所有なのでいろいろな事を試している。現在は時差通勤を奨励するため、7時45分までに降車すると、乗車料金は0円:つまりただ。
ということで、7時半〜45分までが非常に混むようになったということである。何でも高いイメージのあるシンガポールだが、スイカのようなプリペイドカードを利用すると、2ドルが1.5ドルになるなど。インフラ系の費用は比較てきリーズナブル:つまり政府が価格統制をするところは、安く抑えているということである。


シテイホール駅より西はずれジョクーン駅(乗車時間40分)を目指す。
途中地下鉄は、地上駅に。
NSラインとのターミナル駅:ジュラングイーストまでは、街並みの敷地にも余裕があり、高級コンドの建つエリア。因みにE氏もこのエリアに在住。100?で、家賃は400ドル:320000円である。


そして、JE駅を過ぎると、そこは公団住宅:HDBの分譲物件の林立するエリア。


通常、最近の高級コンドはプールフィットネスクラブなど共用部分の施設が充実しているのだが、これらはシンプルな居住スペースを提供している。



シンガポールは、持ち家率89%であるが、初代リークワンユーが、国家に定住と、安定をもたらさせるために、持ち家と軍備充実を推奨したことが背景にあるという。
HDBは今でも、分譲事業を行っているがこれらの初回購入者は、シンガポール国民に限られ(中古物件になれば外国人居留者も購入可能)、これらも価格の安定(価格が下がらないように、価格統制を政府が行っている)につながっている。


1961年独立以降、建設の始まったHDBは全国民500万人のうち300万人以上が住む居住となっており、それらは多くが所有権(フリーホルド)ということ。日本の公団住宅(50〜60?)と違い、すべてが100?を超えるとはいえ、内部設備の劣化は進行するはず。
これらの建築物に建替えの必要性が生じたときにはどうするのだろうか?

私自身今まで、昭和30年代:1960年代の物件を10棟以上建替え推進を行ったが、どれも個人の権利関係が入り混じると建替えに難航する物件が殆どであった。

法整備進んでいる日本ですら、公団住宅の建替えは数棟(これは通常の区分所有法による80%以上の同意と、別途73条の規定を必要とするから)に限られる。これらの議論を真剣に行わざるを得ない時も近いのかもしれない。
長期修繕計画の有無・区分所有法などのまだまだ疑問が残る状況であった。


これの公団住宅は、西と北部エリアに集中し、最寄駅のバスターミナルからバスで移動したエリアに広大に広がっていた。
現在は西のはずれは、ジョクーン駅であるが、今後マレーシアとの第二連絡橋:セカンドリンク前で延伸される予定です。
今のジョクーン駅は、工場と倉庫街。シンガポールにもこんなエリアがあるのかという驚きがありました。


その後、NSラインでウッドランド駅:この駅はトマソンラインという新線で、2018年にJBとつながる予定です。ここはさしづめ、多摩ニューの基幹駅:多摩センターのようです。
そして、駅前のスタバには勉強する少年・少女の姿が。

シンガポール国内には、国立大学が4校のみ。国内の大学進学率は20%と狭き門:シンガポール国立大学は近々の大学ラインキングでは、香港大学を抜いてアジア1番です。そこに入れない子弟は、オーストラリアなどへの留学。残念ながら日本はその選択からこぼれています。頑張れ日本の大学!!!


ウッドランドを後に、NSライン東回りでマリーナ駅に向かう。途中開発をしていない湖沼が広がるが、これらは水源確保として政府が管理し開発が規制されているエリアである
これらも、国が管理しているからこそできること。不動産の個人所有は資産形成には大切であるが、一方、乱開発を生む要因にもなるし、原野商法などの詐欺を生むこともある。
日本も山林・湖沼・農地の所有など(東京都が多摩川の水源地を取得したような)管理も必要だと思う。


さて、いろいろな事を考えるうちにNS線は最終駅:マリーナベイ駅に到着。ここもマリーナサンズベイと同時期に竣工したビル群である。2009年には鹿島をはじめとする日本のゼネコンが建築を行っていた。
駅を降りて地上に上がると、DBS(シンガポール開発銀行・三大BKの一つ)本社ビルが一際の輝きを示す。


ここの地下街のテンタイファン(日本でも有名な台湾の飲茶屋)で、夕飯を共にし、その後川沿い(博多中洲の屋台とは違うけど)のバーで、カクテルを飲んで解散し、ホテルへ。
Eさんのアテンドで、今まで行ったことのないシンガポールを満喫し、非常に充実した一日でありました。


シンガポール経済にとって観光はGDPの5〜6%を占める大切な産業です。取り立ててみるべき自然や文化遺産の無い中、1440万人(日本は860万人:世界30位ですから)の観光客を受け入れるコンテンツやサービスは必要です。これに対応する労働力の確保など。真剣に政府が向き合っているといいます。

日本も富士山の世界遺産に沸き返ることなく、世界からもっともっと環境客。留学生を受け入れる遡上を作り出すべきと考えるのは私だけでしょうか?


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株式会社長谷川不動産経済社

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