新東京邂逅記 by 長谷川高

厳しい時代を生き抜く為の資産防衛と不動産戦略

旧山の手の復活


3.11の東日本大震災以後、東京における旧山の手の住宅地が見直されてきているように思います。
3.11の大震災自体は東北地方を中心で起きましたが、首都圏も今迄にない程に揺れましたし、東北の惨状をテレビ等で目に焼き付けなかった方はいない訳です。


また、あのJRをはじめとする私鉄各社が運休し、大勢の人間が東京中の道路という道路に溢れてことは忘れようとしても難しいものです。


そういった衝撃的な経験をした私達は、これからの時代は「何が起きるか分からない時代である」点と「何が起きてもそれに備える必要がある時代である」ことを誰もが認識したと思います。


この大きな大惨事は不動産の売買、賃貸、投資の世界にも少なからず影響を与えました。
そのことを幾つか見ていこうと思います。


まずは、震災以後、東京における旧山の手のエリア、別の言い方をすれば、東京の古くからの住宅地が見直されてきているように思います。
賃貸で借りる方にとっても、実需での購入者にとっても、又は投資家にとっても同じ動きが起きていると思います。


先の震災において、交通手段がマヒした為、多くの方が都心のオフィスから徒歩で数時間も掛けて帰りました。
しかし、中には1時間以内、30分以内で自宅までたどり着いて、その後の様子をテレビで見ていた方も多く存在します。


私の友人は東日本大震災当日、小石川のマンションまで電車が全部止まった中、
「赤坂から歩いて1時間弱で楽々帰ったよ」
と言っていました。
渋谷区南平台に住む先輩も
「道が混む前に車で日比谷から30分で帰ったよ」
と。


今の20代や30代の方には、
青葉台、南平台、松濤、音羽、小日向、小石川、西片、千駄木、元麻布・・・・
と言ってもあまりご存知ない方も多いと思います。


青葉台には美空ひばり邸、南平台は三木武夫邸、松濤は旧鍋島邸、音羽は鳩山邸・・・
これらの地域は、地価も当然ながら高いのですが、実は多くは古い時代からの台地で非常に地盤も良く、液状化等は起こり難いエリアであるのです。


地盤が良いということは震災時に建物の揺れもより軽減されることを意味しています。
更には、東京のオフィス街から歩いても1時間以内で帰ることができる訳です。


渋谷区の旧高級住宅地に住む先輩が、
震災当時「昔の高級住宅地は、(今はあまり知られていなくとも)かつてそこが高級であった理由がちゃんとあるのだね〜」
と言っていましたが、おっしゃる通りかも知れません。


私も購入者や投資家に代わって不動産を調査していると、やはりと申しますか旧高級住宅街である旧山の手エリアの地質等を調べていくと歴史的(縄文時代から)にも地盤が極めて良いことが分ります。
これらの地域は総じて「古い時代に形成された台地」の上に存しています。
(そうでないエリアも一部ありますが)


一方、どことは言いませんが、今現在の極めて人気の高い住宅地が(この地盤の問題においては)必ずしも震災に強い地域ではない事実もございます。


今後も「大きな震災は起こる前提」で不動産を購入、又は投資すべきだと思います。
何故ならば、賃借人に取っても、
「いざという時に容易に自宅にたどりつくことが可能なのか?」
「自分のオフィスからどれくらいで歩いて帰ることができるか?」
「大地震の時に地面が液状化しないか?」
「大震災の時に建物自体が倒壊する心配はどうなのか?」
といったことは、今や誰でも考えることのなのです。


投資家(又は大家さん)にとっても、投資した物件の地面が仮に液状化してしまいますと、上下水道や電気が使えなくなるリスクを抱えることになります。仮にそうなりますと賃借人は、他の「普通に暮らせる家」を他に探して当然退去することになります。
この場合、最悪数ヶ月に渡って、賃料収入が入ってこないことになりかねません。


不動産に投資する側も大震災等に関しても
「起こり得ないと思っていたことが起こる時代」
「数百年に一度しか起こらないと言われていたことが起こる時代」
ということを肝に銘じて、そういったリスクに備えて、安心な立地に存する物件を選ぶべきかと思います。


長谷川不動産経済社