近年、取引先や友人等々から弁護士の先生のご紹介依頼を受けた時、どの先生をご紹介するか迷う時があります。
これが20年前でしたら何ら迷うことは無かったのだと思います。
以前、私自身が勤め人だった頃、まだ右を左もよく分からない時代、所属していた会社の顧問弁護士の先生達は、皆が皆、エネルギッシュでかつ極めて頼もしく感じました。
しかし、そういった先生方も皆さん歳を重ね、今では(勤め人であれば)定年を迎えるような年齢に達しています。
そして、皆さん、今でもしっかり現役で働いています。更には、当時に比べ事務所は何倍も大きくなり、多くの若手?弁護士を抱えるまでに発展されているケースが多いのです。
そうなってきますと、依頼者サイドからは、幾つか問題になってくることがあります。
こちらとしては、以前のように(代表の)先生にご依頼したいような重要案件でも、もう先生ご自身には担当していただけない、つまり事務所内の誰か他の弁護士の先生をご紹介されるということになって参ります。
その場合、その紹介された先生との「相性」や「仕事の進め方」、さらには力量がよく分からないまま、ブラインド状態でお願いするしか選択がないことになります。
それならば、一層若手で独立されたばかりのフレッシュな弁護士の先生に依頼しようか??とここで迷うのです。
勿論、その分野に精通しているかどうかが一番の判断基準にはなりますが・・・。
弁護士の先生の世界でも、常に世代交代が進んでいることは間違いありません。
以前、お父様にお願いした案件を結局、息子さんに担当して頂いたこともありました。
ところで、弁護士の先生であれば、全ての分野において精通している、また十分な経験値があるというものではないと存じます。
不動産分野に詳しい方、医療事故に精通している方、交通事故等や損害保険の分野に精通している方、企業法務に強い方と様々だと存じます。
そして専門性と同様に重要なことは、やはり「相性」及び「信頼感をもてるか」だと思います。
弁護士の先生を探すのもネット等の活用により、ひと昔前に比べ遥かに利便性が高くな理、同時に依頼する上での敷居も低くなった言えるでしょう。
以前、ある客様がある弁護士が管理するWEB上のメール相談サービスを利用された方がおりました。非常に低廉な費用で相談できたそうです。しかし、結果、1回のメールだけのやり取りで、数千万円の請求に応じてしまった方がおられました。
勿論、この方は、自分にも相当な過失がある故、もう係争等を避けて、早く平安な日々を取り戻したいといった思いが強かったと思います。
これも全て自己責任で判断し決めたことですので、私は意見することはいたしませんでした。しかし、私が当事者だったならば、相当の費用は掛かっても、やはりその種の分野に詳しい弁護士に依頼したと思います。
100対0で勝てるとは思いませんでしたが、50対50、又は40対60に持ち込むことはできたのではと今でも多少残念に感じます。
もちろん費用を掛ける以上、ある程度の勝算と時間や費用における準備と覚悟が必要ではございますが。
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