新東京邂逅記 by 長谷川高

厳しい時代を生き抜く為の資産防衛と不動産戦略

今年は「守」の年。しかし、チャンスがあれば攻めます。

*以下、日刊ゲンダイの2020年1月5日号に寄稿した文章に加筆したものです。 

 

 昨年、令和元年の世相をあらわす漢字一文字は「令」が選ばれました。

 今年の1年の投資やビジネスにおける戦略を仮に漢字一文字であらわすならば、それは「守」ではないかと思います。

 思えばアベノミクスも長く続きました。株価だけを見れば日銀の買い支えもあって、未だ高値安定といった状態です。しかし、上場企業の4割の筆頭株主が日銀であるといった異常な事態に至り、日銀が今後も更に買い進むことが果たして可能なのでしょうか?

 一方、不動産のマーケットに目を向ければ、都心において高値で放置された高額物件があり、郊外においては更に在庫が山のように積み上がっています。

 

 そのような状況下において投資においても今年一年は正に「守り」の年とすべきです。少なくとも「攻め」の年ではないと言えます。投資対象が何であれ、高値圏で投資を行うことは大きなリスクを抱えることになります。

 端的言えば、高値圏では更に高くなる確率より、大きく下がる確率の方が遥かに高い訳です。

 この「守」とは、ギャンブル用語で言う「見(ケン)」と言い換えても良いと思います。見とは実際の賭けに参加せず、傍からじっと自分の運気や状況を伺うことです。

 投資に関しては「仮に暴落すれば参戦するか」くらいの姿勢で良いと思います。そして、このまま高値安定であるならば1年を通じて「見」でも良いのではないでしょうか。

  世界一の投資家ウォーレン・バフェット氏も「投資で失敗する人間が多いのは、(野球で例えるならば)バッターボックスで良い球が来るまで待てず、つい悪球に手を出してしまうからだ」と語っています。

 ビジネスにおける「守」とは、何でしょうか。これは、そのまま、野球で言えば広島商業や広岡監督時代の西武のような「守りの野球」を展開すべきだということです。決して大振りをせず、四球やバントヒットで出た走者を送りバントや盗塁でどうにか3塁まで進め、そこでスクイズ決める。そんな地味な攻めを繰り返すのです。そして守備を固め最後に1対0で勝つような野球です。

 現在は、アベノミクスと言われる日銀による「出口無し相場操縦戦略」により、歴史上最長の好景気が続けています。米国も同様の長期にわたる好景気が続いています。しかし、地方経済やビジネスの川下の現場では昨年辺りから店舗や営業所の数を大幅に減らしたり、正社員の多くを非正規雇用者に移行したといった変化が散見されるようになってきました。

 一方、今年はオリンピックイヤーでもあります。よって夏までは外国からの観光客が大挙して押し寄せお祭り気分が続き、東京を中心に大いに賑わうことは間違いありません。そしてその恩恵を一時的には受けることができるでしょう。しかし、我々は「オリンピック後」に備えなければなりません。

 取引先のある不動産大手会社は、現在社内の稟議書に2通りの事業計画書の添付を義務付けられています。一つは現状の相場での事業収支であり、もう一つはオリンピック後の事業収支です。このオリンピック後の事業収支では売上や収入の想定を全て現在の八掛け(従来の80%)で組んでいるそうです。つまり既に現状の八掛けの売上でも収支が合う物件に絞って投資しているわけです。

 大手企業もこれだけのリスクを想定しているのです。我々個人や中小法人は更に割り引いて備える必要があります。

 やはり、今年は守りを固め「守」の年とすることが、これからの厳しい時代を生き延びる為の有力な戦略ではないでしょうか。

 一方、個人的には守りの年としながらもチャンスがあれば大いに攻めたいと思っております。よって日々狩りに出ます。

 ストックビジネスを拡大していきます。

 ストックビジネス実践会(研究会ではなく実践会)の代表としても色々現実的に試していきます。

 どちらにしても世界経済から目が離せません。

 大きな波も小さな波も常に海の向こうからやって来るものです。

 

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 長谷川不動産経済社