先日、元官僚でかつて主税局で務められていた方と会食する機会がございました。
そこで税金ついての色々な話題が出ました。
やはり「税」に関しては、私自身も顧客の皆様からもよく質問を受けますので、身を乗り出して話を伺いました。
相続税に関して話が及びますと参加者の皆様それぞれに熱い思があり、更に話しが白熱してきました。
すると、元官僚の方が、
「相続税に関しては色々ご意見もあると思いますが、なんたって日本では皇室だって、しっかり相続税を払っているのだから、国はいかに公平性を重視しているかが分かると思います」と。
「本当ですか?昭和天皇が御崩御された時、相続税が発生したのですか?」
「勿論です。3億円発生して、納税されました。相続対象になったのは、主に現金です。不動産はもっていません。」
「陛下は質素な生活を好みましたら、毎年国から支給されたお金の残高が毎年溜まっていって、これがご崩御された時約10億円ありました。」
「全部現金ですか?」
「天皇陛下は、株式投資等はしていけない規則になっていますから、現金と国債です。」
当然ながら皇居も赤坂御所も那須や葉山の御用邸も国有地なのだろう。
天皇陛下は戦後すぐの1946年に俗に言う「人間宣言」をされ「神様」でなくなってから、正に一般の「人」と同じように課税されていると言うことだろう。
「ところで長谷川君、天皇陛下が所有する非常に高価なもので、相続時に非課税だったものは何だか分かる?」
「・・・・・・・・・」
「それは〜三種の神器です。鏡と劔と勾玉は相続時に非課税なのよ」
「え〜? 三種の神器の内、鏡は伊勢神宮、劔は熱田神宮が所有しているのではないですか?」
「あそこは管理しているだけで、所有は天皇です。」
出展 :『Wikipedia』
「三種の神器ですが・・・・・・・・それでは、私がゴールド(金)で勾玉や劔の神器を作ったら、相続時に非課税になるのですか?」
「長谷川君!キミ珍しいね〜! 長谷川君が自分で三種の神器を作っても非課税になるわけないでしょう(笑)
税法には
とあるからね。長谷川君が金で作った勾玉は、単純にマガイモノのマガッタの玉でしかないから、勾玉じゃなくてマガマガタマだな!(笑)当然課税対象です!」
マガマガタマか〜そりゃ〜そうだよな〜と。
もしもそんなことが認められたら「日本三種の神器製造」や「東京勾玉販売」なんていう会社が亀戸駅前にも亀有にも小岩にも新小岩にもできて、錦糸町辺りの奥様達は、
「オタクのご主人もう古希でしょう!そろそろ勾玉でも買ったら〜?」
「そうなのよ〜主人に、古希のお祝いにジャパネットで勾玉、1,000万円買うつもりよと言ったら、主人が『おいおいお前縁起でもないよ〜でもどうせ買うなら高島屋の劔がいい』って言うのよ〜何だっていいじゃないね〜三種の神器なら」
なんて会話が飛び交い、
新聞には「江戸川で勾玉、また盗まれる!今年に入って同区内で38件目!」なんて記事が日々出るのだろうな・・・。
私も一瞬、これは新種の節税方法をお客様に披露できる!と思いましたが、そこは日本の税法、隅から隅までよくできているのでした。
(ちなみに、一般人でも「墓地」、「仏具」、「仏壇」、「祭具」は相続税上非課税です。)
蛇足ですが、昨年、明仁天皇が退位し上皇となり、徳仁天皇が即位し年号も「令和」となりました。
この時、三種の神器は、「相続」されたのではなく(生前)「贈与」されたことになります。しかし、これまで3種の神器に関して「贈与」に関する税法上の取り決めがなかったそうで、そこで今回新たに「贈与時も非課税」と付け加えられたそうです。