新東京邂逅記 by 長谷川高

厳しい時代を生き抜く為の資産防衛と不動産戦略

日本の資産家、富裕層は既に気付いている


アベノミクスの経済効果以降、日本の富裕層も動きも活発化してきました。
勿論、相続税増税が迫っている影響も大きいようです。


実際、富裕層の方々は相続税率の上昇と基礎控除額の減少を見越して、現金や株式を相続税評価上、税額を軽減できる不動産へ組み替える動きは非常に活発です。


現場では、収益マンションやアパート、ビル等に組み換えておりそれ故に収益物件の売買マーケットは活況を呈しています。
彼らは単純に土地を買うのではなく。相続評価上の有利であり、かつ毎月の賃料を得られる収益物件(=利回り物件)を盛んに買っているといった現状があります。また将来の資産価値が下がり難い都心の一等地を購入しています。


また、地方(東京郊外、近県を含む)の富裕層、資産家の資産の組み替えも非常に盛んです。
これは以前より言われていることですが、不動産の価値及び価格の二極化がますます激しくなっているからです。


極端な例ですが、その昔、地方の資産家の資産の多くは現金や自宅を除けば「田畑」や「山」であった訳です。
ご存知のようにこの「田畑」や「山」には今や値が付きません。
つまり売りに出しても買い手が殆ど現れないのです。


山崎豊子さんの「女系家族」などを読むと、相続争いの大きな対象として「山(山林)」が出て来て興味深いです。
同書は、この山の相続をめぐっての姉妹間の攻防が一つのヤマとなっています。
これを読むと昭和30年代ぐらいまでは「山」にもしっかりした値が付いたことが分かり実に興味深いです。
当時は、山に植わっている木材の価値がしっかり存在し、故に伐採可能な良質な木が植わっている山には、それ相当の資産価値がありました。


女系家族〈上〉 (新潮文庫)

女系家族〈上〉 (新潮文庫)


しかし、現在では(国内産の木材も徐々に見直される傾向はありますが)やはり山の価値は限りなく低いものとなっています。


一方、この「山」同様に、地方のいわゆる一般の「宅地」の価値もだんだん怪しい状態になってきています。
売りに出しても値が付かない(買い手が現れない)といった地方の宅地が増えてきました。
現在盛んに問題視されちる全国の「空き家問題」も大きく影響しています。
根本原因は言わずと知れた人口減少問題、少子高齢化問題、地域格差・過疎化問題です。
需給のバランスが完全に崩れてしまっているのです。
また、空き家が多く存在する故、買わずとも低廉な賃料でいくらでも賃貸物件が存在するといった理由もあるかと思います。



私が、最近恐ろしく感じるのは、講演や調査等で度々訪れる地方都市だけでなく、東京近県や東京郊外でも同じような資産の急激な下落を目の当たりにする機会が増えたことです。


そういったエリアでは、駅前商店街のシャッッター通り化が既に始めっています。
ロードサイド店舗が次から次へと閉店して、クリニックと駐車場が広めのコンビニだけが目立ち始めています。
これは正に地方都市の光景と同じなのです。


弊社でも郊外の資産から都市の資産への組み替え、買い替えの依頼が増えてきたのは、正にそこに住む資産家の方々自身がその変化を実感しているからだと思います。家賃収入が年々減ってきていることも、空室がだんだん増えていることも肌身で感じている訳ですから。


私も日々不動産に接していると、新聞や雑誌でよく目にする「空き家問題」、「シャッターストリート問題」、「過疎化問題」、「地方と都市の二極化問題」といったことが(記事を読んだ感覚より)如何にもの凄いスピードで進んでいるのかを感じます。




愚直でまっとうな不動産投資の本

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長谷川不動産経済社