以前、私の後輩でサラリーマンでありながら自分の収入既に上回る家賃収入を得ている友人が
「長谷川さん、あのアパートを売ろうと思っているのですが」と。
彼が所有している幾つか物件の中で一番築年数も新しく、まとまった一棟の物件ですから、不思議に思いその理由を聞いてみると
「あの物件でもしも、自殺者が出たら、あの物件全部の部屋が埋まらなくなる可能性があるでしょう。そうなったら、毎月の借入金の返済を自分の給料だけで支払っていくのは無理だし、売るに売れなくなるだろう・・」と。
「随分慎重だな〜」と思いながら聞いていると彼はいたって真面目に悩んでいるのでした。
彼は不動産の素人ではありません、所謂プロに属します。現在の職業も建設と不動産の中間のような業務に従事しています。
勿論、今年は収益不動産の価格が高騰していますので、そういった意味でも良い時期だと感じているのでしょうが・・・。
やはり、一番の理由は「もしもの時、自分が破綻する可能性があるから」とのことでした。
先日のNHKスペシャル、「MEGAQUAKEIII、よみがえる関東大震災〜90年目の警告」の内容は実に色々なことを考えさせられる内容でした。
まず、90年前の関東大震災で一番揺れた所は、何と「鎌倉」だったというのです。関東大震災=東京といったイメージがありますが、震源は相模湾沖で、当時、湘南から横浜が一番揺れたようです。
また、将来の可能性として、同じ規模の地震が発生した場合、あの震災以降に造られた埋め立て地や宅地造成地で莫大な被害(液状化、土地の崩落等々)が起こるだろうとのことでした。
番組では、同類の大震災が同エリアで何時起きてもおかしくないとの専門家の意見を二つ伝えていました。
私は、湘南でマリンスポーツを楽しむことと、以前からあのエリアに住んでみたいという夢を誠に残念ながら断念せざるを得ませんでした。
情けないと言われそうですが、理由は単純に「怖くなった」のです。
しかし、こういった直感を大切にこれまで生きてきました。
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f360944/
特に、東京、神奈川の湾岸エリアに住んでいる方々で先日の番組を見損なった方は、ぜひ再放送か、NHKオンデマンドで見ることをお勧めします。
http://www.nhk.or.jp/special/megaquake3/schedule.html
何故なら、こういった震災が起こった時のリスクは(言うまでもなく)あまりにも甚大だからです。
生活の拠点や不動産を失うだけでなく、「命を失う可能性」があるからです。
私が、近年感じることは「現在は何が起きてもおかしくない時代」だということです。
「そんなことは到底起こらないだろうということが起こる時代」だと。
ところで、リスク管理の最も要諦は「最悪の場合でも破綻しないように備える」ことではないでしょうか。
「起こり得なことが起きても致命傷にならないようにする」と表現しても良いと思います。
その対象は「投資」でも「ビジネス」でも「人生」でも同じではないでしょうか。
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