新東京邂逅記 by 長谷川高

厳しい時代を生き抜く為の資産防衛と不動産戦略

コスモイニシア 私的整理


今朝の日経朝刊に下記の記事が掲載されました。
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090426AT2C2500W25042009.html

コスモスイニシア、債務軽減で銀行と調整 再建へ私的整理
 ジャスダック上場のマンション販売大手、コスモスイニシアが債務負担を減らして経営再建をめざす私的整理に踏み切ることで銀行団と調整に入った。事業の縮小や再構築などの再建計画を示す見返りに、三メガバンク住友信託銀行など約40の取引金融機関に債務の株式化や返済期限の延長を要請する。銀行団と協調して有利子負債を削減し、経営を立て直す。
 コスモスイニシア(旧リクルートコスモス)はMBO(経営陣が参加する買収)で2005年にリクルートグループから独立した。現在の筆頭株主投資ファンドユニゾン・キャピタル。マンション販売が落ち込み、08年4―12月期は327億円の連結最終赤字だった。過去の投資に伴う約2000億円の有利子負債が重荷になっている。(日経ネット)

全文掲載をお許し下さい。
以前からOBの間でも常に噂がありましたので、遂にこの時がきたかとの思いです。
この「私的整理」とは何か
私の中途半端な知識で解説しても誤解を招くこともありますので、これも野村総合研究所のHPから抜粋させて頂きます。
http://www.nri.co.jp/opinion/r_report/m_word/shiteki_seiri.html

債権者と債務者との協議により倒産処理を図る手続。速く安く倒産処理が図れる。
 私的整理とは、破産法・民事再生法会社更生法などの法的手続によらずに、債権者と債務者との協議により倒産処理を図る手続です。法的手続と同様に、倒産企業を解体する清算型と、倒産企業の事業継続を図る再建型があります。

コスモスイニシアは、上記の再建型です。

迅速かつ低廉な手続
 私的整理は、法的手続と異なり、裁判所による関与・監督を受けずに、債務者たる倒産企業と債権者との合意により自主的に行われます。このため、決まった手続がなく「任意整理」「内整理」ともいわれます。
 私的整理のメリットには、(1)債権者と債務者の合意を円滑に進めることで、柔軟、迅速かつ低廉な手続が可能である、(2)「倒産」のレッテルが貼られないため、取引関係や企業ブランドなどの事業基盤が毀損されにくい、(3)債権カットが一律でなくてよいため、零細な取引業者に負担をかけずにすむ、などがあります。
 他方、デメリットには、(1)再建計画に同意しない債権者を拘束できない、(2)債権者にとって経済合理性が担保されない場合、債権者の株主代表訴訟を提起されるおそれがある、(3)裁判所に債務弁済禁止等の保全処分を求める制度がない、(4)債権者の担保権行使に対する対抗措置が備わっていない、などがあります。

私の浅い知識に寄れば、一般的に殆どの経営者は、後々の株主代表訴訟のリスクを恐れ、私的整理を選ばず、民事再生会社更生法の法的整理をやむを得ず選択するようです。
よって現経営陣の方は、株主代表訴訟の大きなリスクを引き受ける覚悟で、この私的整理を敢えて選んだのだと感想をもちました。

私的整理ガイドラインの制定
 私的整理は、法的に定まった手続がないため、様々な方法により行えるという自由度がある一方で、手続の透明性に問題があり、再建計画の信頼性・公平性に欠ける場合が多いとの指摘がなされていました。
 そこで、手続の透明性・公平性・迅速性を確保するため、平成13年9月に私的整理ガイドラインが公表されました。このガイドラインは私的整理の実務指針を提示しており、関係当事者には遵守が求められているものの、法的拘束力はありません。そのため、複数の金融機関の調整に手間取るなどの限界があります。
 また、倒産企業に求められる要件が相当に厳しく、例えば、3年以内を目途に、実質債務超過を解消し、経常利益を黒字に転換することが数値目標として必要となります。こうしたことから、平成16年3月までの利用実態としては、西武百貨店など14社にとどまっています。

以下、上記の平成13年9月に公表された「私的整理のためのガイドライン」です。
http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/bunshokaito/hojin/050511/guideline.pdf

そして最後に、コスモスイニシアの株主は今後どうなるのか?という点ですが、上記ガイドラインの一部を抜粋し下記掲載します。

Q40. 「株主責任」と「経営者責任」はどのように考えますか。
A. 私的整理による債権放棄を受ける場合には、安易な債権放棄を招かないようモラルハザード対策を講じるべきであり、債権者・債務者間のみならず、社会的にも納得できるような形で経営者責任・株主責任をとることが正義に適うと考えられます。
私的整理において債権放棄を受ける場合は、けじめとして経営者(陣)の退任を原則としています。
私的整理において債権放棄を受ける場合は、株主も相応の責任をとるべきであり、支配株主の権利を消滅させることはもとより、減増資により既存株主の割合的地位を減少又は消滅させることを原則としました。

今日の所は以上となります。
現在、まだコスモスインシアのHPや適時開示情報では何ら情報が開示されておりません。
よってまだ本当の正確な情報は分からないのですが、私が以前勤務していた会社のことでもあり、かつこれまで他社のことについても色々申し上げてきたこともあり、まずは、このブログで現在の所の情報をまとめて掲載させて頂きました。

私は、単なるコスモスイニシアの一OBですが、誠に残念です。
また、これまでコスモスイニシアのマンションや戸建を買われた方、取引先の方及び株主方々には、元社員としてお詫び申し上げたいと思います。

今後も、この件については、新たなことが分かり次第、このブログでお伝えし、徐々にですが私見についてもブログ等に掲載したいと思います。