Japan Far East Real Estate

Hasegawa Real Estate and Economy, Inc.

日本の不動産バブル崩壊と中国不動産バブル

皆様GWいかがお過ごしでしたか?


私は、読書、新しい本の構想を練ったり、原稿を書いたりとインドア半分でした。
今現在3冊同時に本を読んでいるのですが、これがなかなか進みません(笑)。しかし、昨日買った本が面白くて、これは一日で読んでしまいました。


面白い本をどんどん読むべきなのか、勉強になる方を無理しても読むべきなのか・・・。
まあ、両方でしょうね。


***


最近、世界経済の状況が不穏ですよね。


私が一番心配しているのは、中国の不動産バブル崩壊です。


あの日本の不動産バブル崩壊に非常に似ていますよね。状況も何もかも。


先日、テレビで上海の日系企業に勤める若者が「僕の年収は、普通の同年代の人に比べて(日系企業故に)2倍貰っていますが、上海で家を買おうしたら、もう年収の30倍(記憶が定かでないのですが60倍と言ったような気がしますが、取り敢えず30倍で)もします。とても買えません」と。

ご存知の様に中国では、男性は家を所有していないと嫁さんが来てくれないそうで、これは大変な問題です。


あの日本の不動産バブル絶頂の頃、東京での不動産価格は、確か八王子バス便の新築一戸建で6,800万円程度したと思います。自社で分譲しているマンション一覧を見ても20代の自分が買える物件は、同じような郊外の駅からバス便の物件ばかりでした・・・。


それでも、年収600万円としても8倍〜10倍あればどうにか東京郊外に新築のマンションや一戸建が買えた訳です。
(マンションなら同じバス便で感覚値4,800万円程度でしょうか)


よって、上海の年収の30倍というのは相当割り引いて考えても如何に異常かが分ります。


また、中国では当時の一般日本企業で流行った「財テク」と言われた本業以外への投資が相当広く行われているようです。

つまり一般の企業が余ったお金を本業では無く「株」や「不動産」に投資して・・・・。

これ等も、当時の日本企業とそっくりです。

当時どの大企業にも不動産部や不動産子会社があり、関連ノンバンクがあり、そして株式投資での「財テク」と称する自己勘定取引をしていました。
そして「財テク」を行わないことは愚かなこといった風潮さえありました。
不動産投資・開発やそれら向けのノンバンクを通じての融資も同様です。


思えば、日本のバブルもそれなりに激しかったです。
弊社のある南青山や神宮前辺りの地価も当時は暴騰しました。
大通りから一本入った住宅地で坪単価300万円から400万円だった土地が、数年で10倍の3,000万円から最高で3,600万円まで高騰しました。(これも極端な例ですが)
収益還元価格等では全く説明の付かない価格でした。


こういった不動産価格の高騰を抑える為に、日本政府は当時あらゆる規制を始めました。

  • 不動産の譲渡益に対しての:重課、超重課税の導入
  • 土地取引の監視(実際は高値での売買の規制):国土利用計画法による監視区域の届け出制の導入


そして、

  • 不動産関連企業向けの融資規制であった:「総量規制」の導入です。


まあ、(当時、業界の真ん中にいましたが)今思い出してもこれだけ規制があっても崩壊するにはそれなりに時間が掛かったようにも感じます。
しかし崩壊した後の崩れ方は凄いものがありました・・・。


不動産価格が天井の時は殆ど売買事例が少なくなってきました。
直近の中国の不動産取引が同じように非常に少なくなったと先日報道されていました。
日本の不動産市況に非常に似て来ています。
「銀行の融資規制が徐々に始まり・・・・」
「売買事例が極端に細り・・・」


さて今後中国政府はどんな規制の強化を取るのでしょうか?
当然、ソフトランディングを目指すのでしょうが。
上手く行くでしょうか。
(相当日本のバブル崩壊を勉強しているのでしょうが)
上記の様な日本と同じ規制の強化策が次々に導入されれば、結果は明白です。


日本の不動産バブル崩壊時のように(歴史的な順番としては、日本のオイルショックの時のように)中国は一度大きく調整するでしょう。


不動産価格や株値上昇による「資産効果」で取り敢えず「富裕層」になった方々は大打撃を受けるのではないでしょうか。


(しかし、その時が、今後長きに渡る成長する中国への逆張り投資のチャンスになるかもしれませんが。)


最近の上海万博のニュースと対照的な不動産に対する当局の規制に関わるニュースを聞く度に「1970年の頃の日本」と「1989年の頃の日本」を同時に見ている様な気がしてならないのです。


中国の不動産や株式に投資されている方、くれぐれもご注意を。

中国政府が今後次々に繰り出すであろう(当時の日本政府同様の)様々な規制に注目です。

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PS.
GW中に弊社のDVDを沢山ご注文頂きありがとうございました。
昨日から随時発送しておりますので遅くとも今週末には皆様の所へ届くと思います。
今後ともよろしくお願い申し上げます。

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