Japan Far East Real Estate

Hasegawa Real Estate and Economy, Inc.

最近の不動産調査事例から

最近、不動産が少し動いてきたようですね。
弊社にも日々様々なお問合わせを頂きます。
今回は、直近において弊社で調査した物件を実需の物件と投資用不動産に分けて極々簡潔にご紹介します。



■実需の物件における調査

1)埼玉県の戸建て用土地

非常に環境と駅からのアプローチの良い物件でした。
しかし、旧地主が近隣住民と取り決めたプライベートな?「高さ制限」が存在していました。
一般的に、地区協定や建築協定といった公の規制以外の私的な制限は珍しい事例でした。


本来ならば木造三階建てを建てられる用途であり、容積率であるのにこのような個人の財産を制限するルール?付きの土地は、それ相応の土地価格でないと購入に適さないのではと感じました。


延べ床面積を制限されるのは、即ち土地の(利用)価値を下げることに直結するのですから。



2)都心の高級住宅街の戸建用土地

都心の一等地の土地でした。

問題は、隣接所有者の水道管と下水管が敷地内を通っていることでした。


その分価格は割安ではあるのですが・・。


更に、一部境界がはっきりしない箇所があり、越境の疑いもありました。
上下水道が当該土地のどこを通っているのか。それによって建物の建築できる範囲が限定されます。


他人の権利が自分の土地に及ぶことによる土地の減価をどうみるか。
ここがポイントでした。



3)東京都城東地区、建築条件付き新築戸建て

価格的には周辺の分譲住宅地の価格並みでありながら、当該エリアは、幾分劣っていました。


一番の問題は(建物も一緒に売買するにも関わらず)建物の仕様・グレード等を明確にした契約内容でないことでした。最悪の結果としては、安普請な建物になってしまう可能性がありますので。


各部材、設備等の細かい仕様書を添付せずに契約することには、「細かい仕様は売主に任せる」ということになり、明らかにリスクが高いと言えました。



■収益物件についての調査



1)神奈川県郊外の物件

築年数も10年以内のマンション一棟の物件でした。

外壁を最近塗装しており、外観は美観に優れていました。


しかし、周辺環境、駅からのアプローチにおいて、女性の借家人の募集を行うことが困難であると。
(夜は真っ暗な環境、アプローチでした。)


実際入居者は、全員男性。

更に、人気の沿線からの支線に乗り換える物件でありましたので、位置付けとしては、バス便の物件と同等と判断しました。


現況の空室率も35%を超えており、その回復が将来的にも見込めないと周辺の空室状況から判断しました。


2)東京郊外のアパート一棟

調査の結果1階の南側の住宅は、登記した時点より増築し間取りが変更されている可能性が高いことが分りました。浴室がバルコニー側にあることによって開口が狭かったのです。


また、1階と2階の水回りの位置が大きく異なる故に配管の勾配や音の問題が発生している可能性がありました。
 
また、現所有者が保有期間約1年という短期間で売却することは、手数料や登記費用、不動産取得税等の諸費用を鑑み効率的でなくある意味不自然でした。


表面的な利回りは魅力的ではありましたが、将来において、立地、環境、周辺の同等物件の空室状況、マクロ的な地域の需給バランス等から総合的に空室が出た場合、相当苦労する物件であると判断しました。


***


PS.

8月、9月は我ながら暑い中、相当不動産調査に歩き回りました。


不動産投資家の方は目が肥えている方と簡単に投資してしまう方のギャップが激しいとコンサルティングをしていて感じます。

一方、実需で家を買う方のレベルは年々上がっていると感じます。
けっこう勉強している方が多いようです。
勉強しているが故に「あれ、何か変だな!?」と気が付く訳でして、その時点で弊社に依頼があるケースも多いようです。
「何か気になる、100%納得して買いたい」と。

どちらにしても不動産に関しての「リスクに関する意識」が高まってきたと言えるのではないかと思います。

なんて言ってもプリウス10台分ぐらいの買い物をするのですから・・・。
投資の場合は30台分、いやそれ以上ということも多々あるのですから。


プリウスなら、トヨタに言えば直ぐにどうにかしてくれますが、不動産はそうはいきませんので・・・・。


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