新東京邂逅記 by 長谷川高

厳しい時代を生き抜く為の資産防衛と不動産戦略

米国不動産王から投資の基本を学ぶ


高校時代先輩に勧められて見た映画がまったくピンとこなかったものの、後々テレビ等で偶然で見たら不思議と面白かったなんてことが時々あります。今回もそれに近いでしょうか。


私が大学生時代だったか、不動産会社に就職した頃でしたでしょうか、新刊のハードカバーで「ドナルド・トランプ自伝」(当時米国若手の不動産王の自伝)を読んだ記憶があるのですが、何か自分の自慢話しの羅列の様な内容で、特に何も印象に残るものはありませんでした。


つい先日、本屋でちくま文庫から「トランプ自伝」という当時と同じ本を発見し、もしかしたら以前と違う何かを得られるかもしれないと思い購入してみました。


今改めて読んでみますと、以前の印象とは全く違ったものでした。
トランプ氏は、若くして(40歳前半)で不動産王と言われ自伝等を書いていた為、世間の一般的な評判も私の印象も「成り上がりの目立ちたがり屋」、つまりどこか「成り金」的な野望の塊で「一発屋的な人物」といった印象であったと思います。


今回、改めて本を読んでの感想、つまり彼の事業家かつ投資家としての手法を一言で言うならば「実に賢明で手堅い」という印象受けました。
不動産のある意味本当のプロであるとも感じました。

本書から幾つかその例を抜粋させて頂きます。


「そこで5年前、やはりマンハッタンの地価が高すぎると思った時と同じように、もう少し様子を見ることにした。気長に、しかも注意を怠らずに待っていれば、その内もっと良い機会が訪れるに違いないと思った。そのまま3年近くたったがようやく1980年の冬に、アトランティック・シティの土地に関する情報を教えてくれるよう頼んでおいた建築家から電話があった。」

狙った不動産をトランプ氏は、相当期間待っています。それも何年も。
本書を読む限り完全な「逆張り投資家」です。文中の言葉を借りるならば
「数年前ならあれほど人気を呼んでいた町が、突然文字通り冷えきってしまい見向きもされなくなった」時に、彼はいよいよ動きだし投資しています。


不動産でも株式でも、この「待つ」という投資行為がいかに難しいことかご経験のある方なら分って頂けると思います。(私もなかなか待てない部類です)



またトランプ氏は投資対象の不動産について
「つむじ曲がりのようだが、私はこみいった取引にひかれる。その方が面白いという理由も一つだが、難しい取引の方がねらったものが安く手に入るからでもある」と。


これは、つまり権利調整が複雑な(複数の所有者がもっているような)不動産を好むということなのですが、所謂「地上げ」もいとわず自らやっています。
実際にかれは複雑な権利調整を仕上げてNYの一等地を手に入れています。


また、トランプ氏は不動産の所有者にこんなコンタクトの手法を取っています。

「それでも私はあきらめなかった。今度は手紙を書くことにした。まず会ってくれたことに感謝する手紙を書いた。それから2・3か月たってから考えなおしてもらえないだろうかという手紙を出した。返事がないまま数カ月過ぎたので・・・(中略)。さらに時が経ち、今度は・・・(中略)反応は何一つなかった。私は執拗に続けた・・・」

まずは直接コンタクトを取り、それが駄目なら何度も何度も手紙を書くといった地味な交渉を永遠としているのです。


また融資に関してもこんな一文も

「2・3の投資銀行と相談を始めた。たとえその為に高い金利を払うことになっても、自分自身でリスクを負うことを避けたかったのだ」と。

つまりこの場面は融資を引っ張るにしても実に慎重であり金利の条件より「プロジェクト・ファイナンス」にこだわった場面でした。
実際、同氏はこの自伝を書いた後、数度破綻しかけたようですが、その度にどうにか再び復活してきたようです。
その理由は(日本の融資制度とは根本的な異なるとは言え)やはりファイナンスの種類にこだわってきた様子が本書からも分ります。


私なりに強引かつ端的にまとめると、トランプ氏の相当凄い所は、まず
1)長期に渡って(数年以上)投資機会を待てること
2)一等地を権利調整(いわゆる地上げをして)して入手していること
3)それを基本的には自分で直接交渉して行っていること
4)しかし、ファイナンスの条件や契約条件には非常に慎重でシビアなこと

つまり単純な成り上がりの勢いだけで不動産王と言われるまでになったのではないということがよく分ります。地味で(一般的には)嫌がられる作業(努力)をいとわない相当老練な投資家です。


日本でも、相当高齢な本当の投資家というか事業家の方には、こういった考えで投資されている方はいらっしゃいますが(父親がデベロッパー兼大家業を既にしていたことを割り引いても)40歳前半でこの投資手法を既に体得しているのは、やはりただ者ではないと感じました。(当たり前か、笑)


一般の投資家の方にとっても色々な示唆と投資のヒントに富む自伝であると感じました。

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現在のトランプ・オーガニゼーション
http://www.trump.com/
その後、色々失ったものも多いようですが、未だにHPを見る限り健在のようです。

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