新東京邂逅記 by 長谷川高

厳しい時代を生き抜く為の資産防衛と不動産戦略

車を買わない世代が果たして不動産を買うのだろうか?


現在の団塊のジュニア世代(おおよそ30代前半から後半の世代)に対して、かつて不動産の供給サイド、つまりデベロッパーの経営者達は相当な期待をしていました。
かつて「この世代が不動産を購入する年頃になったら我が業界は最低10年間安泰だ」と公言していた経営者もいました。
人口のボリュームだけを見ていたのです。


しかし、結果は予想とは違ったものになりました。


あるコインパーキング運営の大手企業の方に直接聞いた話です。
コインパーキングの運営会社は、時間貸しだけでなく、月極駐車場も経営しているのですが、自社の管理物件を解約する方の解約理由の一番が以前は「引っ越しの為」とか「他の駐車場に移る為」だったそうです。しかし、最近のアンケートでは何と「車を手放す為」が一番になったというのです。


そこで焦った役員が、自社の若手社員対象に「車に関する意識調査アンケート」を取ったところが、このアンケートの結果は全く役に立たなかったそうです。

何故ならば「自社の若手社員が誰も車を所有していなかった」と。
そこでその役員は一言「このビジネスは何時か破綻するな」と。


最近では分譲マンションに付けた敷地内駐車場が購入者で埋まらないといった現象も起きています。(昔は抽選で取り会いだったのに)
よって、東京ではマンション内に設置する駐車場の数も減らす方向にあるようです。


私の事務所がある東京港区青山には、トヨタのレクサスの立派なディーラーがありその向かいに最近、米国ベンチャー、テスラモータースのショールームができました。
毎日、昼となく夜となくその前を通るのですが、どちらも正直何時も閑散としています。
特に何のキャンペーンをやりませんし、どうも売ることを最初からあきらめているような気配すら感じます。


さて、この車を買わない世代が価格が車の約10倍、20倍する家を買うでしょうか?
それも給与が上がらない、雇用と政治が不安定な日本において。


それでも今年は(東京では)新築マンションも戸建て中古マンションも良く売れました。


新築マンションは首都圏の当初供給は3万8,000戸と言われていましたが、どうやら4万戸を超えたようです。来年は更に増加し5万戸から6万戸と言われています。


果たして来年2011年も今年同様に「よく売れる」のでしょうか?


実は既に現場では、(何時か来た道、というか何時も着た道ですが)東京でも売れる物件と売れない物件の差が大きく開いてきました。


当たり前ですが、経済が低迷し給与が上昇しない中で、車を買わない世代に不動産を買って頂くはなかなか難しいのは明らかです。

マンションによっては、50歳以上の方が全体の15%を買っているという物件もありますし、湾岸エリアのマンションでは、やはり全体の15%程度を中国系の方が買っているという物件もあります。


ユニクロではないですが、「この立地と仕様でこの価格!安い!」と思って頂けるものを供給していかないとなかなか長期的には前途多難かと。(それができれば簡単なんだよ!という声が聞こえてきそうですが)


マンション用地が上がってくれば当然の結果分譲価格は大きく影響されます。
入札等の状況を見ると用地の獲得競争もまた厳しさを増してきたようです。


三井不動産の様な大手は、逆に「この(土地)価格では分譲価格に合わない」と用地の購入を見送っているケースが多いようです。



実需から投資まで〜不動産投資顧問、調査、コンサルティング
株式会社長谷川不動産経済社

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