新東京邂逅記 by 長谷川高

厳しい時代を生き抜く為の資産防衛と不動産戦略

Jリート・FCレジデンシャルは年末ジャンボ宝くじになり得るのか!?


私の周りの投資家や不動産プレイヤーの間では、最近(以前もブログで触れた)「FCレジデンシャル(8975)」の今後とその解散価値についての話題が度々出ます。


Jリート指数が上昇し1,000を超え直近でも高値を更新しておりますが、11月24日に、このFCレジデンシャルに関わる下記のニュースが発表されてから私の周りは少し騒がしくなりました(笑)。

レジデンシャル投資法人(FCRI)が、大口投資主であるエスジェイ・セキュリティーズ・エルエルシー(SJ)より、投資法人の解散を目的とした投資主総会の招集請求を受けた。FCRIは、今年5月にSJの申立により第三者割当増資の中止、また9月の投資主総会にて役員の交代に至った経緯がある。11月24日

プレスリリース資料
平成22年11月24日付け
http://www.fcric.co.jp/cms/press/2010-1124-00000.pdf
平成22年12月7日付け
http://www.fcric.co.jp/cms/press/2010-1207-00000.pdf


長い間、23万円前後で推移していた株価は、元来PBRが1倍を割っていたこともあり、一時30万円まで急上昇しましたが、直近の株価は、25万円〜26万円程度まで落ちてきました。


このリートの解散価値を、39万円と発表した証券会社もありました。


私も22年4月期の決算説明会資料や直近の決算短信からザックリ解散価値を計算してみました。


普通の企業の解散価値等は所謂帳簿上の価格となるのですが、これ程当てにならないものはないと思っています。
工場や設備、特許等をいかに正確に計算するか???
よって、私はPBRなるものはあまりというか殆ど信用していません。


一方リートの資産は、大まかに言って保有する不動産のみですから、この保有不動産の価値を幾らで評価するかで決まってしまします。その評価額から借入金を引いた値がおおよその解散価値だと思われます。


このリートの2010年7月時点の決算説明会資料によりますと、賃料収入を平均Cap Rate 5.6%で割り戻して全物件の評価額合計を約210億円としています。
(仮にこの評価額で解散時にバルク等で他者へ売却できたとして)
直近の決算短信より長短の借入額が約100億円です。
よって

210億円―100億円=110億円

これを総投資口数32,700口で割りますと

110億円÷32,700口≒約33.6万円

となります。
(あくまでもザックリ評価です)


問題は
本当に再び総会が開かれ、このリートが解散するなり、どこかのファンドやリートに身売りするといった議決が取れそうか?ということを株主構成等から判断する必要がまずあります。


過去2回は上記SJの請求が通り、第3者割当の阻止と社長の交代を実現しています。
SJ同様に約30%の株を保有する大株主はあの「いちごグループホールディング」の関連会社です。
いちごは元来、このリートを組成したファンドクリエーショングループと友好関係にありますが、過去2回は、前述の様にSJ側に軍配が上がっています。
さて今回はどうなるでしょうか?



次に
このFCレジが保有している物件が売却できるような物件ラインナップであるか、ということも勿論判断する必要があります。立地、規模、築年数・・・等々。
私が資料を見る限り(全物件現地を見た訳ではないので悪しからず)、概ね他者へ転売できる立地、規模ではないかとの印象をもちました。
(総額でも210億円、全19棟な小ぶりなリートなので会社ごとのМ&Aしたい他のリートは存在するかとの印象を得ました。)



そして、
そもそも「時価」を割り出している「鑑定評価」の基本となるキャップレートなりNOIなりが適正なのか?その率での(または近い値での)実際市場で(他社へ)売却が可能であるのか?また、もっと厳しく見ないといけないにしても実際にはどの程度のNOIの評価であれば引き受け手が現れるのか?
ここですよね。ここが私の周りでも若干意見が分れる所だと思います。


さて、現在の株価でもアービトラージが実現可能なのか?
それは神のみぞ知るですが・・・。


以前にもブログに書きましたが、こういった投資のジャッジは、どちらにしてもリート特有の長期保有でインカム・ゲインを狙う投資というより、短期的な「投機」または「ゲーム」と割り切るべきかもしれません。


当然ながら、解散を提案しているSJも勿論「短期勝負」の考えだと思います。


それで、私はどうしたかって?

私は評論家ではなく投資家であり業界の現役プレイヤーですので当然割安だと判断したならば行動を起こしています(笑)。
ポジショントークかもしれませんのでその辺を割り引いて咀嚼下さい)


尚、上記のブログは、当該リートの購入を推奨するものではありませんし、仮に投資されて損害を被られても私及び弊社は一切の責任は負いかねます。
当然ながら全ての投資判断は自己責任でお願い申し上げます。


実需から投資まで〜不動産投資顧問、調査、コンサルティング
株式会社長谷川不動産経済社


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