私が子供の頃「人生ゲーム」なる双六が流行った時がありました。
人生ゲームとは言いながらも所詮双六ですので、サイコロを振り、出た目だけ紙製のボード上で自分の駒を進めるというものでした。
そして、早く「ゴール」に到着した者が勝ちとなる単純なものでした。
サイコロの出た目の数通り進むとそこには「交通事故にあい、2コマ下がる」とか「●●で3コマ進む」と記載があり、単純なゲームではありましたが、なかなか簡単にはゴールできないようにできていました。
子供にとって雨の日の暇つぶしにはもってこいの遊びでした。
こういった双六ゲームでよくありましたのが「一回休み」というものです。
つまりサイコロを振る順番が一度スルーされるというものです。
その分だけ先へ進むのが遅れるわけです。
さて、今回の新型コロナによる様々な不自由は早1年を経過しようとしています。
経済的な面においては飲食店や宿泊・観光業で働く方々ばかりでなく、様々な業種において甚大な被害が続いています。
結果、世界中で新型コロナという感染症によって、長期の「一回休み」を取らざるを得なくなりました。
我々は、特にビジネスにおいて「休む」などということは元来想定しておらず、
そもそも「休む」などと言うことは怠惰なことか罪悪であるように教育を受けてきました。
ただ、今やこのような状況になってみますと、「休む」こと自体を学ぶことが必要だと感じます。
「如何に休むか」をです。
そんなことを申しますと「休んでいる余裕などない!」といったお怒りの声が聞こえてきそうですが。お許し下さい。
しかし、人間にはどうにもならない事態がこの数十年を振り返っただけでも、阪神淡路大震災、リーマンショック、東日本大震災、そして今回の新型コロナウィルス感染と次から次へと起こってきました。
更には現在、地球温暖化による異常気象の慢性化が世界各地に様々な天災を引き起こしています。
人生ゲームは子供向けの双六ではありましたが、思えばよくできたゲームだったと思います。
リアルな人生においても他者より数歩先に進むこともありますが、逆に3歩も6歩遅れることが起こり得ます。正にあのゲームと同じです。
また、人生ゲームでは「降り出し(スタート地点)に戻る」などと言う目が出る時があります。
しかし、このゲームが面白かったのは、一度降り出しに戻った者がその後、運に恵まれ最終的には勝ってしまうなんてことが起こったことです。
この点は、リアルな人生においても同じなのではないでしょうか?
さて、今回は世界中の人々にとって「一回休み」という「目」が出ました。
それも長期の「一回休み」となりました。
そこで、先のようにこの「休み」を「如何に休むか」なのです。
堂々と休む、虎視眈々と休む、それともただただ休む、どれであっても良いように思います。
ただ「休み」にも「術」が必要だと言うことです。
ところで、あの人生ゲームの「ゴール」には、他に何と書いてあったのでしょうか?まさか「定年」とか「リタイア」などと書いてあったとも思えません。
ただ「ゴール」と書いてあっただけでしょうか?それとも・・・そこが気になるのですが、どうしても思い出せません。
そもそもリアルな人生における「ゴール」とは何なのか?
それを考えれば、今回、一回休むことを恐れる必要などないのかもしれません。
確かなことは、リアルな世界での勝ち負けは「到着の順位」ではないのですから。
東京でもやっと梅が咲いてきました。
もうすぐ確実に春がやってきます。
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