新東京邂逅記 by 長谷川高

厳しい時代を生き抜く為の資産防衛と不動産戦略

見掛け上の利回りを疑え!


弊社のお客様にもよくコンサルティング時に申し上げるのですが「見掛け上の利回りを疑った方が良い」と。
仮にAという物件があって、表面利回りが10%として現在満室としましょう。一方やBという物件があり、利回りが6.5%としましょう。


仮に同じ価格であるとするならば、一見すると物件Aの方が価値のある物件のように感じます。
しかし、もちろんこの二物件は、立地が異なります。
仮にAは、東京近郊エリア、つまり郊外にあり、Bは、都心や城南エリアにあるとします。
現在の不動産マーケットでは、アパートローンをできるだけ頭金を少なくしてローンで組もうとする方が多い故に、兎に角、利回りの高いAのような物件を求める方が多いのは事実です。


弊社によくある相談案件としても、このAのような物件の調査依頼が非常に多いのです。
しかし、このAという物件の利回り10%は、5年、10年先も実現できるものなのでしょうか?


不動産投資は長期に渡る「事業」です。
そして「賃貸業」は当然ながら「会社経営」なのです。
会社経営故に他の業界同様に時代の変化に翻弄されるのです。
時代や環境の変化、競合の出現等によって売上げは激しく上下するリスクがあるのです。


ここが肝心要な点ですが、不動産に投資することにおいては、それぞれの物件その将来における需給バランスと賃料の動向を(ある程度)予想することが非常に大切なのです。
「経済学者でもアナリストでもないのに予想なんかできない」とおっしゃるかもしれません。しかし、これは一般論で考えていけば良いのです。


将来、つまり10年、20年先においても『それなりの人気=賃貸需要』が保たれる場所であるのかを考えることはそれ程困難なことではないと思います。
ここでは、変な思い込みや思い入れは禁物です。あくまでも厳しい第三者の目でみる必用があります。


不動産において、将来の家賃収入の増減を考慮しないことは、株式投資で言えば、将来の営業利益や、フリーキャッシュフローを予想せずして本来の企業価値評価ができないのと同じことです。
会社経営で言えば、何ら将来の予測無しに会社を漠然と経営し始めることと同じです。 

つまり、将来成長していく企業(業界)なのか、衰退していく企業(業界)なのかを判断することなく投資、経営していくようなものなのです。


ところで利回りの高い物件は、おおよそ立地に関しては人口減少が激しい地方都市や東京近郊と言っても「バス便物件」であったり、不人気の沿線であったりします。



又は、元来賃貸市場が弱いエリアであったり、個別的要因としても建物に目前に大きな建物が既に建っていて日が当たらないといった「マイナス面」をもつものが殆どです。



こういった「マイナス要因」を抱えた物件は、需要と供給のバランスが崩れたエリアでは、将来、収益が悪化する可能性が高いと言えます。



仮に現在表面利回りで10%まわっている物件で将来家賃が20%下がって、空室率が20%になった場合どうなるのでしょうか?
単純計算で
10%×0.8×0.8=6.4%となります。



更に将来家賃が30%下がって、空室率が30%になった場合どうなるのでしょうか?
単純計算で
10%×0.7×0.7=4.9%となります。



実際は、家賃が下がり、空室率が上昇しても、管理費や修繕費用ほぼ一定であり、固定資産税は、同じ率では下がりませんのでネット(純)利回りは更に低下します。



よって、10年後、20年後を考慮に入れた場合(不動産投資は、長期での会社経営と同じですのでもちろん長期で考える必要がります)、「物件Aの方がより価値がある」という表面の数字だけにみての見解には大きなリスクが存在します。
「投資」と言われもの全般において同じことが言えるのですが、表面的な、数値に惑わされて本来の価値を見抜くことを忘れしまっては結局投資家自身が大きなリスクを背負うことになってしまします。



そうなりますと、皆さん自身がその不動産の本質的な価値を見抜く目をもたなくてはならないのです。


はじめての不動産投資

はじめての不動産投資


長谷川不動産経済社